ViberがiOS 10の電話アプリの新機能に対応、iPhoneでは電話とVoIPの境界が薄れる

iOS 10では電話アプリVoIPと統合する新機能が搭載されています。この新機能が使えるようになるにはVoIP側のiOSアプリが対応する必要なのですが、22日に先陣を切ってViberが対応しました。少し試しましたが、電話アプリとVoIPが一体化します

WWDC VoIP

着信を見逃すことはない

これまでiPhoneのVoIPアプリによる通話の着信は、他の通知と同様に自身で設定したバナーやダイヤログが一定時間表示されるだけでした。これでは着信に気づくことが難しく、仮に通知に気づいたとしても、その他の多くの通知の一つとして無視されてしまう可能性もありました。

着信

しかしiOS 10の新機能に対応済みのVoIPアプリでは、着信通知は通常の電話のような表示になります。上の画面を見て見逃す人はいないはずです。またiPhoneへの着信履歴も通常の電話アプリ内に記録されており、そからコールバックすることも可能になっています。

連絡先

連絡先アプリからの発信についても、通話アイコン(ビデオ通話アイコン)の長押しで発信手段を選択でき、Viberも選択できるようになっています。

LINE通話の対応に期待

現時点で国内で最も利用されているコミニュケーションツールであるLINEはこの電話アプリとVoIPの統合機能に対応していません。LINE通話で着信があった場合は依然として通知が一定時間表示されるだけです。国内で多くのユーザーを抱え、多くの人は主要な連絡手段としてLINEを利用しています。そのLINEがこの機能に対応した場合、非常に大きなインパクトをもたらすでしょう。

VoIP

WWDCでこの機能が発表された時、今回対応したViberのロゴだけでなく、LINEのロゴもしっかり表示されています。それほど遠くない将来、LINE通話も電話アプリと統合されることが予想されます。

この機能が普及すれば、利用者側が電話なのかVoIPなのかを意識することは少なくなると思われます。これは携帯電話各社の料金プラン戦略にも微妙な影響をもたらすでしょう。携帯大手3社の料金プランは通話無制限プランが柱となっていますが、VoIPアプリは大半でユーザー同士の通話は無料と設定されており、相対的に大手3社が提供するプランの競争力が落ちる可能性も考えられます。通信業界全体にも少なからず影響をもたらしそうです。

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