1年間、AppleのNewsアプリに記事を投稿した結果…

AppleはiOS 9の目玉機能としてNewsアプリをリリースしました。しかしこのアプリの対象国はアメリカイギリスオーストラリアの3カ国のみで、日本でのサービスは未だに始まっていません。とはいえNewsアプリ向けに日本からでも記事を投稿することは可能なので、Apple News Formatが一般投稿者に解放された昨年の3月から定期的に記事を投稿してきました。

1年間で82記事、1.8万PV

昨年の3月に一般投稿者(大手メディア以外)もApple News Formatの利用が可能になり、WordPressからNewsアプリ向けの記事を投稿できるようになりました。当初は積極的に記事を書いていたのですが、徐々にペースはおちて、結局1年で82記事を投稿しました。これら記事の合計のページビュー数は約18,000となりました。

1記事あたりのPVは平均すると220程度であり、ど素人が大手メディアに混ざって日本から手探りで配信したとしてはそこそこの結果かもしれません。ただPV上位の10記事だけで全体のPVの7割を占める(上位2記事で5割)など、記事によってPVは大きく偏ります。これはNewsアプリにFor You機能がついているためと推測され、多くの読者の興味に沿った記事は、当然ですが多くの人に読まれます。

ちなみにNewsアプリのアクティブユーザー数は7,000万人を突破しており、ニッチな話題でもそこそこのアクセスが期待できる規模のユーザーがいます。

購読者もゆっくり増加

AppleのNewsアプリには「お気に入り」として興味のあるチャンネルを登録する機能が搭載されています。登録しておけば記事が更新されればFor You内に表示されて、常に最新の記事を読むことができます。僕のチャンネルも1年で160人ほどの登録を集められました。多いか少ないかは判断しかねますが、もっと頻繁に更新すれば、もっと購読者が増える感じではあります。

あとNewsアプリに表示される記事には広告が掲載できるのですが、これが全く期待はずれです。1.8万PVあればApple Watchのウーブンナイロンバンドが買えるくらいの収益があってもよさそうですが、実際はiTunesでHD画質の映画を1つレンタルできる程度の収益しか得られませんでした。Newsアプリでまとまった広告収益を得るには、自身で広告営業できるくらいの規模が必要だと思われます。

日本でのNewsアプリ展開は不透明

Newsアプリが紹介された当初、日本での展開も時間の問題ではないかと考えていました。しかし日本でのNewsアプリ提供に関する動きは全く表に出ていません。おそらく現時点で予定は未定といったところだと思います。For You機能は自動で読者の興味に合わせた記事を配信すると同時に、編集者によるおすすめも表示されます。仮に日本でNewsアプリを提供するなら、このレコメンドの自動化プログラム編集者の双方を日本語向けに用意する必要があります。

確かに日本のiPhoenユーザーは非常に多いのですが、既にリリースされているニュースアプリを押しのけて、AppleのNewsアプリが利用者を増やせるか微妙でもあります。このような日本の市場に費用をかけてNewsアプリを投入するメリットデメリットを考えると、日本でのNewsアプリ提供は「未定」の状態がまだ続くと考えられます。