Appleの株価、新製品発表の噂で史上最高値を更新 大丈夫か?

Apple株は20日のニューヨーク(NASDAQ)での取引において、141ドル46セントで取引を終えています。これは同社が上場して以来の最高値であり、時価総額は7384.83億ドル(約83兆円)にも達しています。ただこの値上がりの背景には今晩の新商品発表に期待したものとする説明もあり、少し心配な値上がりな気もします。(Apple shares set all-time high on rumors of upcoming product release

発表会ではAppleの株価は弱含み

今回のApple株の値上がりの背景に今晩にも新製品への期待があるとすれば、少し期待しすぎな気もします。今回発表されると噂になっているiPad Proはマイナーチェンジにとどまると予想されており、それ以外に発表される商品があったとしても、イベントを開催するまでもないくらいの更新になると予想されています。その新製品に期待して株価が上がっているとすれば危うい気もします。

Appleの株価は新製品への期待で値上がりし、実際に発表された内容を見て下がる、という動きをすることが多いです。古くはiPhone 4sの発表時、一部の予想ではiPhone 5が発表されるとの予想から大幅なモデルチェンジに期待して株価が上がっていたのですが、iPhone 4sとして新製品が発表されたことで株価が下がったこともあります。

上の株価の動きは12インチMacBookApple Watch発表イベント時のものです。MacBookは期待を超える斬新な商品と受け止められ、株価が上がったのですが、その後Apple Watchについては予想通りの内容であり、株価は逆に下落に転じてしまいました。このように噂の範囲を超えないような製品が発表されないとわかると、大きく株価が下がるということがよくあります。今回のApple株の上昇もちょっと心配になってしまいます。

iPadの販売拡大に繋がれば株価も…

現在、Appleの部門売り上げを見てもiPadは非常に苦戦していることがわかります。この苦戦はタブレットという製品の位置付けからくるものでもあるため、すぐに回復へと向かうことは難しいかもしれません。しかしAppleほどの規模の企業が本気でタブレット(iPad)の普及を目指した戦略を実施すれば状況は変わるでしょう。

少し前に噂にあった旧機種の値下げもその戦略の一つになりえます。値下げでタブレットの普及を促し、タブレットに確固たる地位を与えることに成功すれば、iPadの販売拡大は近づくと思います。そうした戦略的な動きが今回のメンテナンス後のサイトでの発表に含まれれば、株価もいい方向に動く可能性はあると思います。とりあえずメンテナンス明け、21時30分のWebサイトは要注目です。