AppleはWWDCの基調講演でiOS 11を発表し、その中でApple PayとiMessageを使った個人間送金サービスの開始を告知しています。サービスは米国のみでの開始となりますが、日本にもいずれ上陸して欲しいサービスです。ただこ利用できるのがiPhoneユーザーだけという点が普及のネックになりそうです。
セキュリティは高そうだが
iMessageはセキュリティの高いメッセージサービスと言われています。iMessageの通信内容は暗号化され、送受信する端末(iPhoneなら)は指紋認証で保護されています。また政府の開示要求に対する姿勢も一貫しており、メッセージが悪意のある第三者に漏れることは少ないとされます。
その上、個人間送金で使うApple Payも決済ごとに指紋認証を経る必要があり、iMessageやApple Payを不正利用して第三者が勝手に送金することはほぼ不可能でしょう。Appleの提供する個人間送金のセキュリティはかなり高そうな印象です。おそらくこのセキュリティ性能の高さもAppleの提供する個人間送金サービスの売りになると思われます。
問題はiPhone以外のユーザへの送金
しかし堅牢なApple PayとiMessageの利用は長所であると同時に、短所でもあります。これらサービスは、もちろんですが、iPhoneからしか利用できません。このサービスが仮に日本に上陸したとして、その時にライバルとなるのはLINE Payでしょう。LINE PayはもちろんiPhoneにもAndroid端末にも送金できます。これだけでも大きな違いです。
メッセージアプリでも対応端末の違いがiMessageとLINEの普及率の違いに現れていると言っても過言ではありません。Appleは本気で個人間送金サービスに進出するなら、Android用のiMesaageと送金、入金用のカードを用意すべきでしょう。それをしないままサービスを始めても、iMessageのように使う機会の少ないサービスとして忘れられていく気がします。