散発的に出てくる「AppleはiTunesでの音楽ダウンロード販売を終えようとしている」というニュースですが、出るたびに大きな話題になります。そしてすぐにAppleがこの噂を否定します。昨日も同様の噂が出たのですが、出所は昨年12月に同じ情報を流したメディアで、そのメディアが伝えた情報をネットメディア、情報ブログが拡散するという形も毎回同じです。
「終わらない」がAppleの見解
ネットメディアが何度スクープとして報じたところで、Appleが現時点でiTunesでの音楽ダウンロード販売の終了に向かっているというのは根拠のない話です。普段噂についてコメントを発表することのないAppleが即座に否定することからもわかります。噂が一人歩きすることで音楽業界にAppleの方針に懐疑が生まれるのを避けようとしているのでしょう。
そして、ここまで明確に否定している情報をメディアが何度も蒸し返すほどの明確な根拠は情報源には記されていません。また情報源となったメディア、それにこの情報を元に記事にするネットメディアも根拠のない話でも、乗っかってアクセスを集めたいという意図が見え見えで、なんともいい感じはしません。
Apple Musicは万能ではない
iTunesで販売されているものの、Apple Musicには収録されていない曲はたくさんあります。そんな曲をiPhoneで聴きたくななったら、CDを買って、Macに取り込んで、それをiPhoneに転送しなければいけません。これこそ不便の極みです。またApple Musicが4,000万契約を突破したと言っても、まだ月額制の音楽ストリーミングサービスを利用している人はほんの少数です。
こうした状況にも関わらず、あと1年弱でiTunesでの音楽ダウンロード販売が終了に向けて動き出すというのは非現実的です。Appleの幹部がいうように、iTunesでのダウンロード販売が終了するときは「誰もダウンロードで音楽を買わなくなったとき」でしょう。おそらく「iTunesでの音楽ダウンロード販売が終了」というニュースが流れても、誰も驚かなくなって話題にもならなくなったときに、ひっそりとダウンロード販売が終了するのではないでしょうか。