Amazonの「Apple認定販売代理店以外を排除」に調査 日本にも波及する可能性

Amazonではもちろん多種多様なApple製品も販売されています。ただ販売方法は昨年後半に変わり、Appleが認定した業者しかAmazonApple製品の販売ができない状態となっています(Amazonも認定販売代理店の一つになっています)。国内ではAmazonしかApple製品を販売しておらず、少し前まで多くあったApple製品を販売する業者は全てAmazonから排除された形となっています。

米国公正取引委員会が調査

Amazonによる認定販売代理店以外の締め出しが、AmazonやAppleの巨大な影響力を背景にした公正な取引の妨害にあたる可能性があるとして、アメリカの公正取引委員会が調査を開始したようです(The FTC is looking into the Amazon and Apple deal that crushed small resellers)。実際にAmazonから排除された零細業者に対して一般的な聞き取り調査が行われているようで、公正取引委員会がAmazonとAppleの行為に関して場合によっては違法となる可能性があると認識していることが窺えます。

今回調査されているAppleAmazon、そしてGoogleFacebookといった巨大なIT企業の有形無形の影響力が市場の公正な競争を妨げているという批判は多くあります。そのためAmazonとAppleが結託して零細企業を窮地に追いやっているという構図は多くの人に問題を訴えやすく、巨大IT企業批判の象徴的な存在になる可能性はあります。

日本でも同様の構図

アメリカでは2018年11月から多数のApple製品販売業者がAmazonから排除されたのですが、日本でも今年の初め頃にAmazon以外の業者がApple製品を販売することができなくなっています(中古品もごく一部の業者のみ販売可)。状況はアメリカと同じであり、日本の公正取引委員会も動き出してもおかしくはない状態です。

確かに零細業者を排除する前、AmazonのApple製品販売は混沌とした状態でした。海外からの並行輸入品が異常な価格で販売されていたり、何世代も前の製品が最新モデルのような説明で販売されていたり、アクセサリ類には偽物が混ざっていたり、AmazonでApple製品を買う気になれなかったのは事実です。しかしその問題を「全て排除」という形で解決するのは多少強引であり、問題のある業者を一つずつAmazonが対処すべきではあります。

アメリカの公正取引委員会の調査結果は当然日本の動きにも繋がるでしょう。どのように動いていくのか、注目していきたいと思います。