今年の秋に発表・発売されると予想されるApple Watchの次期モデル(Series 6)ではユーザーの動脈血酸素飽和度を測定する機能が搭載されると予想されます。これによって何らかの疾患によって血中酸素濃度が低下している場合に警告を発したり、睡眠の質を監視したり、高山病の予防やスポーツ選手のコンディション管理ができたり、様々な用途への応用が期待できます。
光センサーで計測
Apple Watchには初代から光センサーによって心拍数を測定する機能が搭載されています。これは緑の光で動脈の動きを計測しているのですが、動脈血酸素飽和度を測定するには赤い光を使ったセンサーを用いることになるのでしょう。光の透過率などを精密に測定することで血中の酸素飽和度が測定でき、この数値がユーザーの健康状態の把握などに役立つことになります。
血中酸素飽和度は呼吸器などの疾患により低下することがあり、普段計測している数値よりも低くなった場合にはApple Watchが警告を出し、医療機関への受診を勧めることも可能になるでしょう。これは日常的にユーザーが装着しているApple Watchだからこそ実現できる機能ともいえます。
また睡眠時の酸素飽和度は睡眠時無呼吸症候群の兆候をとらえるのにも役に立つかもしれません。Apple Watchが睡眠追跡機能を搭載するとの噂はずっとあるのですが、動脈血酸素飽和度の測定機能とセットで使えるようになればユーザーの健康管理にさらに役に立つ存在になるのではないでしょうか。
これ以外にも高い山に登る際に使えば、高山病を早期に検知できる可能性もあります。またスポーツ選手が日々のコンディションを管理するツールにもなり得ます。Apple Watchの動脈血酸素飽和度測定機能は幅広い健康分野への応用が期待できます。
医療機器の壁
Apple Watchに搭載された心電図機能は国内では薬事法の壁に阻まれて使えない状態が続いています。もし国内でApple Watchの心電図機能を使うとすれば、医療機器として各種認証を取得し、販売体制などの見直しが必要となります。これは血中酸素飽和度を測定するセンサーでも同様であると考えられ、国内でこの機能をすぐに使うのは難しいかもしれません。
しかしAppleのティム・クックCEOは心電図機能について、日本国内でも使えるように鋭意努力中であるとしています。その努力は他の機能でも同様であると考えられ、血中酸素飽和度測定機能もすぐにではないかもしれませんがいずれ日本でも使えるようになると期待してもいいのではないでしょうか。