「Apple Card 2021年にも日本上陸か?」という希望的観測記事

DAMOND ONLINEで未明に配信された「「Apple Card」2021年に日本上陸か?クレカの概念を覆す黒船の正体」と題された記事、もしかして何か新しい情報があるのか?と期待したのですが、Apple Cardが日本に上陸する時期に関して具体的な根拠は書かれていませんでした。

ゴールドマン・サックスの方針次第

Apple Cardゴールドマン・サックスとAppleが共同で開発した新しいクレジットカードサービスです。新信用スコアの低いユーザーにも柔軟にサービスを提供し、iPhoneのメッセージ機能を使うことでサポートコストを引き下げ、高いセキュリティ性能を備えることで不正使用による損害を抑えるなど、ユーザーの間口を広げ、運営コストを引き下げることで新たな収益モデルを確立しようとしています。

アメリカでのサービス展開を見る限りAppleのブランド力を背景に順調に顧客を拡大しているように見えます。ただ新型コロナウイルスの蔓延は計算外だったと考えられ、急激な景気悪化を受けた支払い猶予を実施するなど当初想定していなかったコストが増加していると予想されます。もしアメリカでApple Card事業が順調に進めば、欧州、日本、オーストラリア、カナダなどへと事業範囲が広がっていくと予想されていただけに、少し予定は狂っている可能性はあります

日本の消費市場の動向も影響

Apple Cardがアメリカ以外の地域で展開するか否かはAppleだけでなくゴールドマン・サックスの経営方針、それに各国の金融当局による許認可に依存する部分が多いのは確かです。上記記事にもありましたが、日本でApple Cardが使えるようになるにはゴールドマン・サックスの個人向け金融サービスの日本上陸を待つ必要があるでしょう。

昨年頃まではゴールドマン・サックスは日本での個人向け金融サービスに積極的だと報じられていたのですが、最近はあまりニュースになりません。コロナ禍で日本の消費市場は冷え込んでおり、新規参入すべき市場としての魅力に変化があった可能性もあります。記事はしっかりとした根拠のないまま2021年に日本上陸か?と書かれていましたが、個人的にはもう少し時間がかかるのではないかと予想します。