Apple Watchの高速充電、実はあまり使わない?

Apple Watch Series 7には高速充電機能が搭載され、従来より33%高速に充電できると宣伝されています。しかしApple Watchの利用状況から考えるとあまり使う機会はありません。

睡眠追跡、充電忘れ、徹夜明け

毎日Apple Watchを使うユーザーの多くは就寝中に充電する習慣になっていると思われます。そもそも18時間しかバッテリーが持たず毎日充電する必要があるため、まとまった時間を確保しやすい就寝中の充電がベストです。この使い方をしている限り高速充電の恩恵はあまり感じません

しかし睡眠追跡にApple Watchを使う場合はそれができません。1日使った後に就寝前の1、2時間の間に充電を一定割合まで済ませる必要があります。この時は、Apple Watch Series 7高速充電が威力を発揮します。残量25%だと45分程度で100%まで充電できるでしょう。しかし旧モデルでも1時間あればこのくらいの充電はできます。

Apple Watch Series 7の高速充電への評価はこの15分にどれだけ価値があるかの判断に分かれそうです。もちろん同じ45分の充電で旧機種が残量100%にならなくても、8時間程度の睡眠追跡なら翌日も朝に充電しなくても丸1日使えるだけのバッテリーは残っています(上記写真の通り、睡眠追跡で使うバッテリーは10%程度です)。

あと高速充電が威力を発揮しそうなのは朝に充電し忘れたことに気づいたケース徹夜明けで充電時間が確保できなかったケースでしょうか。朝の短い時間に1日使えるだけのバッテリー残量を充電できる高速充電はありがたいかもしれません。しかしそれでも数十分の充電で残量にして10%程度の差しかつかないでしょう。それほど大きな差になる気はしません。

もう少し高速なら

実はApple Watch Series 7の充電速度を何回か旧機種と同時に充電を開始して観察しています。しかしどうも宣伝通りの際立った速さになりません。バッテリー切れから充電を開始し、まず起動するまでが旧機種に比べて遅く、その後のバッテリー残量の立ち上がりもゆっくりです。途中から充電速度が速くなる場面(5分で9〜10%分)もあるのですが、そのペースも長く持続しません。充電時間全体を通してみると、旧機種に比べて多少速いかなという程度です。

Apple Watchの高速充電の効果を実感するには、旧機種に比べて違いがはっきりするくらいの速さが必要な気がします。せめて30分で0%から100%まで充電できる、とか15分で1日分の充電ができるとか、違いを強調するならこのくらい必要な気がします。