iOS 15.2に追加された新機能に「デジタル遺産」と名付けられた機能があります。名前からして、歴史的に貴重なデータを保存するような機能のように聞こえますが、実際はApple IDの所有者が死亡した際、iPhoneやiPadなどに保存されたデータの管理を指定しておいたユーザーに許可する機能です。
家族か友人に
iOS 15.2をインストールすると「設定」から「パスワードとセキュリティ」へと進むと「故人アカウントの管理連絡先」という項目があり、ここで自身の死後のデータ管理を任せるアカウントを指定することができます。
管理ユーザーを指定すると管理コードが発行され、このコードと死亡証明書をAppleに提出し、承認されれば特別なApple IDが発行されます。このIDで死亡したユーザーのデータに3年間アクセスできるようになります。コードはプリントアウトで保存、もしくはメッセージアプリで送信して保存することができます。
iPhoneには家族の思い出や使っていた人の重要な情報がたくさん保存されています。ユーザーの死後、この情報にアクセスできなくなってしまうことで、思い出の写真が見られなくなってしまう以外にも死後の事務手続き上の不都合も多く想定されます。「デジタル遺産」機能はそうした不都合を事前に準備しておくことで回避できる機能になっています。