ここまで大きくなったApple Watchの画面サイズ

9月10日のスペシャルイベントで発表されたApple Watch Series 10の大きな特徴がその画面サイズでした。筐体の寸法はSeries 9に比べて縦、横ともに1mm大きくなっています。これで初代Apple Watchに比べて縦4mm、横2.6mmのサイズアップとなりました。それぞれ数字で見るとそれほどの違いには見えませんが、ディスプレイサイズの拡大もあり実際に手首に装着するとサイズ感の違いは歴然となります。

ユーザー側の変化

Apple Watchに限らず、スマートウォッチの機能を制限する大きな原因がディスプレイサイズです。スマートウォッチで多くの情報を見やすく提供できるか、タッチ操作で簡単に複雑な操作をこなせるかなどスマートウォッチの利便性がディスプレイサイズにかかっていると言っても過言ではありません。ただ腕時計であるため本体のサイズには限界があり、ユーザーがどのサイズまで許容できるか(邪魔と思わないか、ファッションの邪魔にならないか)という制限があるのも事実です。

初代Apple Watchが発売された頃、42mmサイズのApple Watchでさえ大きく感じた人が多くいました。また42mmは腕が太い人向け、38mmは比較的腕が細い人向けと案内され、華奢な手首に42mmのApple Watchはゴツい印象を与えると捉えられていました。しかしSeries 10では小さい方のモデルでも42mmサイズとなっており、あの頃の大きなApple Watchは既に小さい方のApple Watchとなってしまいました。

これはスマートウォッチが普及するに従ってユーザー側の許容範囲が広くなってきたからでしょう。この機能を使えるなら大きな本体でも構わない、もっと見やすくなるなら多少大きくても不便に感じない、スマートウォッチとファッションが馴染むことでサイズを気にしなくなった、そんな変化がユーザー側に起こってきたのでしょう。

ちなみにApple Watch Series 10は過去最も薄いApple Watchとなっています。初代に比べて0.8mm、Series 9に比べて1mm薄くなっています。薄さはそのまま装着感に影響するので、つけ心地はかなり向上していると予想します。

まだ大きくなるのか?

これまでのようにApple Watchが進化の過程でサイズを大きくするなら、これからもApple Watchは大きくなっていくのでしょうか?私はそこまで大きくならないと考えます。大画面で多機能、高機能なスマートウォッチはApple Wathc Ultraに任せ、通常のApple Watchのサイズはこのくらいが終着点のような気がします。より大きなApple Watchは特別な用途(エクストリームスポーツや登山、ダイビング、トライアスロンなど)に特化し、またそれらを取り入れたファッションとして一定の需要がありそうですが、それが多くの人に必要かはまた別の問題でしょう。

そういう意味でもディスプレイが大きくなり、薄くなったApple Watchは普段使いのスマートウォッチの現時点での一つの完成形であるのは間違いないと思います。初めてApple Watchを購入する人だけでなく、既にApple Watchを使っていてそろそろ新しいモデルに買い替えようと考えている人にとってもオススメのモデルになっていると思います。