Apple Intelligenceの日本語を含む多言語対応は今後1年間で順次、思ってたより早い

AppleはiPhone 16の新機能として独自のAI機能であるApple Intelligenceを発表しました。ただ機能公開時(2024年中)はベータ版となり、さらに英語のみに対応と案内されています。その後、1年をかけて各種機能の追加と日本語、フランス語、スペイン語などの追加が行われるとのことです。2025年はiOS 18の更新を通じてApple Intelligenceがどんどん進化していく年になるのでしょう。

iPhoneの主要機能として

近年のiPhoneの新モデルのセールスポイントは処理性能やカメラ性能の向上、通信速度の向上、ディスプレイの鮮やかさなどハード面での進化が中心となっていました。そうした状況で発表されたApple Intelligenceは久しぶりに出てきたソフト面におけるiPhoneの主要機能といえそうです。Siriの進化と合わせて、AppleはAI機能をiPhoneの主要機能と位置づけ、他社製品との差別化を図る機能に育てていくと考えられます。

そのため多言語化は必須であり、Appleはかなり本気でApple Intelligenceの多言語対応を進めていくのでしょう。日本語、フランス語、スペイン語は今後1年間で順次対応していくと発表されており、国内対応があまり進まないAppleのサービスを尻目にApple Intelligenceはいち早く日本でも使えるようになりそうです。

ただ現時点でApple Intelligenceを含むAIの利用価値や発展性はよく分かっていない部分もあります。Apple Intelligenceはベータ版で徐々に学習して、機能提供を通して高度化されていくのかもしれません。iPhoneに搭載されて多くの人が使うことで学習が進み、Apple Intelligenceの精度が向上していくとすれば、数年もすれば他社のスマートフォンを使えなくなるくらい便利な機能になっているかもしれません。期待してみようとは思います。

Apple Intelligenceの強み

AppleはiPhoneだけでなくApple WatchやiPad、HomePodなどのハードウェアからだけでなく、自社が提供するサービスやアプリなどからユーザー情報の収集が可能です。もちろん同社はユーザー情報の際限のない使用には慎重な姿勢を保っていますが、情報をApple Intelligenceのアウトプットにユーザーの個人情報がある程度反映させるだけでも、他社のAIサービスを凌ぐ精度が得られる可能性があります。

フィットネスアプリの履歴から1週間のトレーニングメニューを提案してくれたり、写真アプリの画像から自分に好みの服を提案してくれたり、移動履歴を参照して通勤時間でちょうど聞けるポッドキャスト番組を教えてくれたり、そんな使い方が見えてきます。その上で多くの人がApple Intelligenceを使うことでもっと細かい要望に応えられるように進化していくのかもしれません。

個人的にはアメリカ行きの航空券を予約したらWeb履歴を参照して出発1週間前くらいに「ESTAはちゃんと申請してる?」とSiriが聞いてくるくらいまで進化してほしいと思っています。