auのiPhone 7は上り通信速度が速くなってる(ときどき)

iPhone 7からauは上り(アップリンク)にキャリアアグリゲーション(CA)を使うようになりました。これまでauは上りの速度が遅く、そのことで他社との比較で弱い立場に立たされていましたが、このCAのお陰で差は少しだけ縮まりそうです。

アップリンクCAはBand41のみ

auがiPhone 7でアップリンクCAに対応すると報じられた時、情報が錯綜したのですが、どうやらこのCAが使えるのはBand41(WiMAX2+)を利用している時のみになります。そのためBand41でキャリアアグリゲーションを利用した場合の理論値は下り最大220Mbps上り最大20Mbpsとなります。

アップリンクCAなし

アップリンクCAあり

スピードテストはフィールドテストモードでBand41を掴んでるのを確認したのちに計測し、計測後にもう一度Band41を掴んでいることを確認したものの結果です。下りは理論値最大220Mbpsとはいえ60Mbpsほど出ており、高速を維持しています。一方で上り13Mbpsで、アップリンクCAがなかった頃は5〜7Mbpsくらいだったことを考えると倍速となっています。

モバイル通信の大半は下りの通信であると言われていますが、SNSやクラウドへ写真やファイルをアップロードする機会も増えています。そうした時、上りの通信速度が速ければ快適であり、auがアップリンクCAを導入したのは評価できるでしょう。

Band18やBand1を掴むと遅い

しかし常に快適な上りの通信が使えるわけではありません。iPhone 7ではWiMAX2+を優先して掴むような設定にはなっていないようで、多くの場合でBand18(800MHz帯)やBand1( 2.1GHz帯)をつかみます。その場合、それほど上りの通信速度が速くなることはありません。

特にBand1をはPHSが利用する電波との干渉を避けるため理論値でも上り最大が12Mbps(実測値では5Mbps程度、場合によってはもっと遅い)に抑えられています。これが改善されなければ、常に上りで快適な通信が可能にはならないでしょう。ただしauでは現在、PHSとの干渉を避けつつ、上りの周波数を確保する技術導入に向けて動いています。その時にはauの上り通信速度も常に他社並みになるかもしれません。