Apple ミリ波帯を使った第5世代移動通信システムのテスト実施へ

Appleが5Gとも呼ばれる第5世代移動通信システムの実験を実施することが米国の規制当局への申請書類から判明しました。Bussines Insiderによるとこの書類にはAppleが通信実験にミリ波帯(28GHz, 39GHz)を利用すると記載されているようです。

iPhoneのためか?それとも…

5Gに関してはドコモが2020年の実用化に向けて動き出すなど、ようやく実験室から実際のフィールドに実証実験の場を移した段階です。この5Gで要の技術となるのが高い周波帯の利用であり、今回Appleが実験を申請した内容のものです。高い周波数帯は既存の利用者が少なく、幅広い帯域を確保できるメリットがあり、5Gの要求する通信速度実現には欠かせないとされています。

ただ5Gは現時点で実験段階であり、次々世代さらにその次のiPhoneに搭載されることはなさそうです。Appleも将来の技術として実験していると考えられます。また今のiPhoneでは5Gで送受信されることが想定されている4K動画をフル解像度で再生することはできません。やはりもう少し先の通信技術ということかもしれません。ちなみに5GはiPhone以外にも用途は多くありそうで、最近Appleが開始した自動運転などへの利用も想定されます。

宇宙関連の通信としても注目

Appleの実験実施を伝えたBusiness Insiderでは実験に用いられる28GHz帯が現在衛星通信用の電波として利用されていることにも注目しています。Appleは宇宙関連の技術者を大量に採用したことが知られており、将来的にはこの周波数で衛星と通信する機器の開発を目指しているとも推測されます。

そうなれば携帯電話というより、自動運転に関する技術かなぁという気もします。5Gは通信速度で10Gbpsを実現する技術であり、その用途は現時点で提供されているサービから想像するのが難しいものです。Appleがどのような未来像を描いているのか、実験の内容は外には出てこないでしょうが、それを想像するのも面白いです。