iOS 11.1のリリースに合わせる形で10月下旬からApple Payの個人間送金サービスが始まります。提供地域はアメリカのみと発表されていますが、商標関係の手続きがヨーロッパでも進められているという情報もあり世界展開にも期待できます。ただ日本でのApple Pay Cashについては全く情報がなく、あまり期待できない気がしています。なので当面はアメリカでのApple Pay Cashの広がり具合に注目したいと思っています。
iMessageで送受信
Apple Pay Cashの最大の特徴はiMessageを使って個人間でお金(正確にはApple Payの残高)をやり取りする点です。そのためiMessageの使えない人(iPhoneを持ってない人)はサービスの対象から外れます。送信側も受信側もiPhoneユーザーである必要があり、iPhoneで閉じたサービスになっています。
日本ですでに始まっている個人間送金サービスであるLINE PayはスマートフォンのOSを選びません。そのため送る機会も送られる機会も多く、ユーザーの環境をあまり選ばないサービスとなっています。また送られたLINE Payの残高を使える場所も多く、LINE Payの個人間送金はLINE経済圏をさらに発展させる役割を果たせそうです。
これがiMessageを使うApple Pay Cashでも可能なのか、非常に興味深いところです。単一のOSでしか使えないサービスが経済圏を作るまでの規模に成長するのか、それとも単にファンが試しに使って面白いサービスにとどまるのか、Apple Pay Cashの動向には注目したいと思います。
iMessage for Androidは出るのか
もしApple Pay Cashが多くの人に使われるサービスに成長するとすれば、iMessage for Androidの登場を待つ必要はあるでしょう。Apple Pay Cashの普及だけでなく、メッセージアプリとしてのiMessageの普及を考えてもAndroidへの対応は不可欠なはずです。
しかしAppleはiMessageをiOS端末のウリの一つとして位置付けているようで、なかなかAndroidでの利用に門戸を開けません。ただ今回のApple Pay Cashの開始でユーザーから「Android端末にも送金したい」という要望が多く届けば、Appleは方針を変えるかもしれません。個人的にもiMessage for Androidの登場には期待しています。