アメリカのZ世代でiPhoneが人気となっている大きな理由はメッセージアプリでiMessageを使っていない場合に表示される”グリーンバブル“になりたくないためだとの分析をネットメディアが伝えています。(Gen Z is key to Apple’s dominance, due to their fear of green bubbles)
社会的圧力
“仲間と同じ“というのはどこの国でも重要なことなのでしょう。特に若者にとって仲間意識は友達関係の基礎となるものであり、他の世代よりも社会的な同調圧力が強いと一般的に考えられています。この社会的な圧力がアメリカでZ世代(1996年以降に生まれた人たち)にiPhoneが支持されている大きな要因になっているとの分析が発表されました。
アメリカにおけるZ世代でのiPhoneのシェアは他の世代より高く、この世代の購入がiPhoneの売り上げの3分の1を占めているとされます。これはメッセージアプリで相手に”グリーンバブル“が表示されることへの恐れ(仲間と違うことへの抵抗感)が背景にあると分析されています。”グリーンバブル“はSMSを意味し、iMessageの”ブルーバブル“とは区別され、Z世代はこの違いを重要視しているようです。
実際にコミュニケーション相手が”グリーンバブル“だった場合、相手の評価が下がる、返信したくないといった反応(もちろん極端な例だとは思いますが)まであると報告されています。
囲い込みツール
Appleは頑なにiMessageをAndroid端末に開放しません。これは“ブルーバブル”による囲い込みと言われており、iMessageを使えるiPhoneという立場を明確にするためとされます。前述のような現象が起きているということは、この戦略はZ世代に上手くハマったと言えるでしょう。結果としてZ世代の親もiPhoneを使うことになり、またZ世代自身もiPhoneを中心にApple製品を購入し、Appleの業績に貢献していくことになります。
同調圧力を使った囲い込みで製品をプロモーションするのはあまり褒められたものではありません。そしてこのやり方が長続きするかは疑問です。しかしアメリカのZ世代のような成功事例が続けば、iMessageはこれからも不便なメッセージアプリのまま放置されるのでしょう。日本のユーザーにとっては不利益しかありません。