ソフトバンク、au、ドコモが揃ってiPhoneの取扱いを開始したことで、各社の通信環境を比べる機会が増えています。特にLTEでは「速さ」「エリアの広さ」「つながりやすさ」と競争の軸も増えて、各社の宣伝も過熱気味です。
しかしこれら調査はどこか現実離れしていました。スピードテストの比較記事でも、調査結果(平均で数Mbpsの差、繋がりやすさで0.1ポイントの差など)が実際の使用感にどこまで影響するのか疑問でした。ただ、この状況がiTunes Matchの登場で変わってくる可能性があります。
iTunes Matchはストリーミング再生が基本となっていて、再生とダウンロードが同時に進んでいます。なので途中でダウンロードが途絶えると再生自体も止まってしまいます。通信が安定していれば、音楽なのでそれほど高速通信が必要ではなさそうです。安定して300kbpsくらい(もしかしたらもっと低くても大丈夫)も出ていれば十分に使えそうです。また一度iTunes Matchで再生した曲はiOSディバイス上に保存されるので、何度も聴いている曲が通信状態に影響されることはなさそうです。
しかし曲をダウンロードしている時に「パケ詰まり」に見舞われると再生が途切れ途切れになる場合もありそうです。更に言えば地下鉄や新幹線、郊外を走る路線、トンネルの多い区間などではLTEと3Gを行き来することが多くあります。この通信方法の遷移で通信が断絶してしまって「パケ詰まり」となった場合も再生が途切れそうです。
iTunes Matchは利用者が多く、電車内や高速道路の移動中の利用が多くなりそうです。「お気に入りのミュージックをいつでも、好きな場所で。」が可能かどうか、これまで通信キャリアが「地下鉄でもLTE」「新幹線でも途切れない」「xx駅で最速」「山手線最強」なんてキャッチフレーズで宣伝してきた真価がiTunes Matchで試されそうです。