携帯の長期契約者を優遇して!は虚しい訴え

2月、3月は通信キャリアが新規ユーザー獲得に血眼になる時期です。必然的にMNP契約へのキャッシュバックも積み増され、5万円、10万円なんていう現実離れした数字も出てきます。そしてその度に出てくるのが「新規・MNPだけ優遇して、長期契約者をないがしろにするな」という意見です。

でもこの意見はキャリアに全く届きません。それもそのはずで、キャリアが長期契約者を優遇するメリットは殆どありません。さらに言えば、これだけMNPが優遇されているのに、未だに長期契約中の利用者はなにもしなくても出て行かない利用者と認識されているでしょう。

「お得意様なんだから優遇するべき」という反論もあるかもしれませんが、キャリア歴15年だからといって、毎月払う料金は新規ユーザー(割引前)と同じです。比較されがちな航空会社の「Frequent Flyer Program」ですが、この対象者はまさにお得意様であり、優遇する価値のある利用者層(平均的な利用者の何十倍も売上に貢献する利用者)へのサービスです。通信キャリアの長期契約者だから優遇すべきという意見とは次元が違います。

では利用者はどう対応すべきなのでしょうか。現状で取り得る最も効果的な対応はMNPです。多くの利用者が契約更新毎にMNPするようになれば、市場は均衡状態を見つけ出し、今の形はマイルドなものに是正されるでしょう。監督官庁の規制を期待する声もありますが、民間企業の経済活動に国が介入するのは避けるべきです。

長期契約者冷遇に不満なら、面倒でもMNPしていっぱいキャッシュバックを貰おう。これしかないです。

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