ここ数日で再び円高が進み、6月21日午前9時時点で1ドル103円台後半、その後6月24日にはイギリスのEUからの離脱を巡って、一時1ドル100円を切る水準まで円高が進んでいます。この円高水準が続けばiPhoneの再度の値下げにも期待したくなりますが、その可能性を過去の価格設定をもとに推測します。
相場変動はすぐに価格に反映
AppleはiPhoneなどの製品価格を比較的頻繁に変更します。円相場が円安となれば日本での販売価格は上昇し、反対に円高となれば販売価格は低下します。今年4月に円高を反映してiPhoneが値下げされましたが、そのときも相場の動きを比較的早く反映させています。
上のグラフはiPhone 6発売からのiPhoneの価格とAppleが1ドルを何円で計算しているかを示しています(iPhone 6/6s 16GBモデルで計算)。これを見るとiPhone 6発売から約半年は円相場通りの換算だったのが、2回目の値上げからは円相場+10円程度で換算されていることがわかります。
おそらく転売対策として中国との価格差を縮小する狙いがあったとされます。iPhone 6発売直後からApple Storeは転売目的の購入者で大混乱に陥り、混乱の解消がAppleにとってブランドイメージを守る上で急務であったことが価格差を縮小する(日本で値上げする)背景にあったようです。
為替変動10円ごと価格改定か
この換算レートの見直しは別として、Appleは円相場が約10円動くごとにiPhoneの販売価格を見直していることがわかります。この傾向を考慮すれば、今後1ドル=100円程度が定着すればiPhoneは値下げされると予想します。ただイギリスの影響を受けて為替市場は激変しており、この動向が落ち着くまではAppleも価格を変更することはないでしょう。
なお、仮に1ドルが100円近辺で安定的に推移し、AppleがiPhoneの値下げを実施すれば、値下げ後の価格はiPhone 6s (16GB)で71,800円と現在より7,000円ほどの値下げとなるのではないでしょうか。円高には功罪があると言われていますが、消費者として、Appleファンとして少しでも安くiPhoneが購入できるのはありがたいです。