iPhone SEが顧客満足度No.1という不思議、というか皮肉

アメリカの調査会社(the American Customer Satisfaction Index)が2017年4月までに発売されたスマートフォンの満足度を調査しました。その結果は、新機能をふんだんに盛り込んだ高性能機種を押しのけて、iPhone 5s〜iPhone 6sの機能、性能となっているiPhone SEがトップとなりました。(iPhone SE Tops Customer Satisfaction Survey Despite Shift Towards Larger Screens

最新iPhoneの満足度が高いわけではない

iPhone 8の噂がまことしやかに囁かれ、これまでにない機能の搭載、これまでのiPhoneにはなかったデザインに期待が集まっています。新機能・高性能に顧客が満足するかどうかは別問題のようです。iPhone SEには3D Touchも搭載されず、機能面ではかなり劣ります。また通信速度も下り最大150Mbpsにまでしか対応しておらず、環境を選ばずに安定した高速通信を実現するのは難しくなっています

それでも顧客満足度が高いという結果をどう理解したらいいのでしょうか。もしかしたらiPhoneの多機能・高性能という進化に多くの人がついてこれていないもしくはついていく必要性を感じていない)のではないでしょうか。最近のスマートフォンに標準的に搭載される大画面すら不要、という人が一定数いるのでしょう。ここ数年は機種の性能のだけが向上し、それを利用するサービスが発展していないのかもしれません。

iPhone SEで満足している人が多いということは、最新のスマートフォンの性能を存分に使うだけのサービスがまだ普及していないことを暗に示唆します。

プレミアムモデルのiPhone 8だけじゃダメ

確かにこれまでも高性能なスマートフォンを買い求める層は、基本的にガジェット好きが多い印象です。10万円を超える価格設定となると予想されるiPhone 8の主要な顧客層もここでしょう。また毎回最新のiPhoneを購入するようなAppleファンにもiPhone 8は訴求できるはずです。

しかしそれだけでは、iPhone 8に盛り込まれる機能が多くの人に使われることはなく、道具というより玩具になってしまう可能性もあります。ファン以外で高額なiPhone 8をわざわざ買う人もそれほど多くならないと思われます。そうした人たち向けにiPhone 7s/7s Plusが用意されているのかもしれませんが……。

サービス(プラットフォーム)とハードは車輪の両輪であり、多くお場合どちらかだけで前に進むことはできません。今はハードの発展よりもサービスの発展が重要になってきているのかもしれません。