AirPodsケースがiPhoneのワイヤレス充電器に? 外部ポート廃止ならありえるか

NIKKEI ASIAN REVIEWが台湾の業界関係者の話として、2018年末に発売されるAirPodsのワイヤレス充電ケースが自身のワイヤレス充電だけでなく、iPhoneをワイヤレスで充電できる機能を有していると伝えています。この情報については懐疑的な見方が多くなっていますが、iPhoneから外部ポート(Lightning端子)が廃止されるならありえなくもない話かと思われます。

充電するには容量不足

AppleはiPhoneだけでなくMacBookもiPadもApple Watchも周辺機器も全てワイヤレスでつながることを目指しています。その一環としてAirPodsがiPhoneのワイヤレス充電器になるというのは方向性としては正しいのかもしれません。しかし今回NIKKEI ASIAN REVIEWが伝えた情報には多くの疑問があります。Qiの規格上の問題も指摘されているのですが、最も大きな疑問はバッテリー容量の問題です。

iPhone Xのバッテリー容量は約2,700mAhなのに対し、AirPodsのケースのバッテリー容量は現行モデルで約400mAhとなっています。AirPodsのケースにあるバッテリー残量を全くロスなくiPhone Xに充電できたとしても25%ほど残量が増えるだけです。実際にはAirPodsのケースに100%の残量があることは少なく、またバッテリー充電時に発熱などで失われるエネルギーもあるため、残量がゼロに近づいたiPhoneを充電し、問題なく使えるようにすることはできないでしょう。

iPhoneから外部ポートがなくなれば…

Appleがワイヤレスを突き詰めて行けば、iPhoneから外部ポート(Lightning端子)はいずれ廃止されることになるでしょう。実際、AppleはiPhone XでLightning端子を廃止しようと試みていたことが明らかになっています。ただ充電性能の問題、ワイヤレス充電器を付属させる際のコストの問題などで先送りされたとされます。

この試みが今でも続いており、次期(もしくは次々期)iPhoneでLightnig端子が廃止されるとすれば、AirPodsの充電ケースがワイヤレス充電器になるというのも理解できます。家の寝室や職場のデスク上などにワイヤレス充電器を置いておけば、iPhoneのバッテリーが1日持たないということはありません。ただ外出の多い人にとっては出先で充電する機会は多くあるのですが、そのためにワイヤレス充電器を持ち歩くのは現実的ではありません。

この時に小さなAirPodsのケースワイヤレス充電器として使えるなら便利でしょう。AirPodsのケースがコンセントと有線で繋がれているのはスマートではありませんが、かさ張るワイヤレス充電器を持ち歩かなくていいのは便利です。実際にどうなるかは不明ですが、今回のNIKKEIの報道でもしかしたら次期iPhoneから外部ポートがなくなるんじゃないかとの妄想が広がりました。