AppleはiOS 15の詳細についてWWDCの基調講演で発表された点以外の事項も公開しています。その中でも注目したいのはGoogleやAmazonなどが参加するスマートホーム統一規格「Matter」への対応についてです。
iOS 15が完全にサポート
MatterはGoogleやAmazon、Apple、Samsungなどが参加するスマートホームに関する規格です。このMatterでの作動が認定されているデバイスはAlexaやGoogle Home、HomeKitなどに対応することになり、対応製品メーカーの負担は一気に減ることになります。また他社プラットフォームと規格を共有することで、他に比べて対応製品の少なかったHomeKitも対応製品が増えると考えられています。
このMatterがiOS 15でサポートされることをAppleが発表しています。Matter対応だからといって無条件でホームアプリで操作できるかは不透明な点はあったのですが、どうやらこの規格を完全にサポートするようです。Matterに準拠した製品は2021年秋頃から販売されると報じられており、iOS 15の正式版公開に合わせてHomeKit対応製品の種類が一気に増えそうな気配です。
低価格化が進むか
これまでHomeKit対応製品は他のスマートホームプラットフォーム対応製品に比べて割高なものが多かったのが事実です。具体的にはスマートプラグでもHomeKit対応製品は1つ7,000円くらいで、他の対応製品は1,000円〜2,000円台のものも多く販売されるなど、その価格差はかなりありました。これがMatterの策定と採用で一気に解消される可能性はあります。
またメーカー側が複数のプラットフォームに対応する手間が省略できるようになることで、多種多様なスマートホーム対応製品が出てくることも期待できます。さらに言えば同じ製品でもプラットフォームごとに対応時期が異なることが多くあり、HomeKit対応だけが待たされるということも無くなるでしょう。Matterの登場でスマートホームは大きな転換点を迎えたといっても過言ではないでしょう。