Appleとゴールドマン・サックスは共同でクレジットカード事業を展開しています。ただサービス対象国は現時点でアメリカのみとなっており、日本でもサービスが開始されることを待っているAppleファンは多くいると思われます。そのサービスインに一歩近づくかもしれない(もしかしたら無関係かもしれない)動きがあったと報じられています。
銀行免許取得
ゴールドマン・サックスグループは企業向けの金融サービスや投資業務を主な事業としてきましたが、景気動向や相場の動向によって業績が激しく上下することから事業の多角化を進めてきました。その一つがマーカスブランドで展開されている消費者向けのローンサービスであり、このマーカスがApple Cardのサービスを支えています。
そのためゴールドマン・サックスが日本で消費者向け金融サービスを提供することが、Apple Cardの日本上陸の条件ではないかと考えられています。その第一歩になり得る動きとして、先日、ゴールドマン・サックス銀行が東京支店の開設についての免許を取得したことが判明しています。消費者向けのサービス提供において、銀行の店舗設置は一つの足掛かりになるのは確かです。
カード事業の計画なし
しかしゴールドマン・サックス側は東京支店の設置について、企業向けの融資・決済サービスのためと説明し、さらにカード発行事業についての計画はないと明確にコメントています(Impress Watch)。このコメントを見る限り、Apple Cardが近々日本でも提供される可能性はかなり低下したと考えられますが、仮にApple Cardを国内で提供しようとなった時、今回免許を取得した東京支店が大きな役割を果たす可能性はあります。
Apple Cardはアメリカのクレジットカードサービスの収益構造を利用しつつ、顧客層をより広く設定し、徹底したコストダウンとセキュリティ確保(不正利用防止)を行うことでキャッシュバックを行いつつ、収益を確保することに成功しています。日本とアメリカではクレジットカードサービスの収益構造とは少し違うこともあり、簡単に進出できないとは考えられてきましたが、当面(少なくとも数年)は日本でApple Cardは提供されることはないと考えられます。