まもなく、日本時間の14日午前2時頃、iOS 10の正式版がリリースされます。既にデベロッパーやベーターテスターには最終版が配信されており、大きな問題もなさそうなので、事前に告知されているスケジュルール通りに配信されるしょう。iOS 10は過去最大のアップデートと言われており、様々な機能が追加されています。その中から注目される機能をピックアップします。
iMessageは大幅に改良
これまでメッセージアプリとして他社アプリに遅れをとっていたiMessageが巻き返しを図ります。LINEにあるようなスタンプが使えるようになり、また開発者登録をすれば誰でもスタンプを販売することもできるようになります。LINEのスタンプが多くのクリエイターを巻き込んで発展したモデルを参考にしたと考えられます。
さらにメッセージを装飾したり、手書きの文字を送信できたり、効果をつけたり、写真に覆いをつけて送信(受信側でゆっくり開封できる)したり、今メッセージアプリで使われている演出がiMessageにもやって来ます。Apple WatchやMac、iPadとも密接に連携し、メッセージアプリとしての完成度は一気に上がるはずです。
しかし送信側、受信側がApple製品を利用している必要があるのは難点です。Android端末やWindows PCに対応していないのは他のアプリに比べて見劣りします。これが影響して、今回のiOS 10での改良で一気にiMessageの利用者が増えることにはならない気がします。
VoIPが電話と統合
iOS 10では電話アプリがアプリのVoIP通話に対応します。LINE通話などの着信があった場合、通常の電話があった時と同じように全画面に発信者の名前と写真が表示され、着信を見逃すことがなくなります。通話の発信も電話アプリからできるようになり、電話とVoIP通話の境界は薄くなります。
これでデータプランのみのMVNOでもVoIPサービスを使って、電話を擬似的に使えるようになるのではないでしょうか。特にLINEの格安SIMはLINE通話のデータ量を無制限に設定するプランもあり、MVNOにはなかった無制限通話もVoIP通話で電話アプリを使って再現できます。なかなかインパクトはあるかもしれません。
Homeアプリの登場
日本ではまだあまり対応製品が販売されていないHomeKitですが、この対応製品の操作がHomeアプリやコントロールパネルから可能になります。僕も試しにiPhoneでON/FFや明るさ、色を操作できるLED電球を購入したのですが、これがHomeアプリやコントロールパネルから操作できるようになれば便利になると思います。
とはいえ対応製品は少ないままです。日本の大手家電メーカーは全くHomeKitを相手にしていません。今年の年末から、Appleは横浜市綱島にパナソニックが建設するスマートタウン内に研究所を設置します。ぜひこの研究所でパナソニックとの協業を進めてもらって、家電、住設機器でHomeKit対応を進めてもらいたいと思っています。
Apple PayはiOS 10.1から
そしてこの秋から日本でもFeliCaを使ったApple Payが始まります。ただこれは14日にリリースされるiOS 10では対応せず、10月下旬にリリースされるiOS 10.1へのアップデートが必要だと思われます。まあサービス自体の対応が10月下旬と案内されているので、当然といえば当然です。
Apple Payはすごく楽しみですが、もう少し待ちたいと思います。