次期iPhoneとdocomo、au、ソフトバンク

そろそろ次期iPhoneの噂も揃ってきた感じです。なので既に噂となった性能、機能ごとに日本でのiPhone販売競争に与える影響を展望してみます。

【VoLTE】


次期iPhoneでの対応は確実と噂されてはいるものの、依然として決定的な情報が出てこないVoLTEですが、これに対応するとドコモが販売競争で優位に立てるかもしれません。既にVoLTEサービスを開始して、テレビなどでの宣伝も活発に行なっています。VoLTEならドコモというイメージを作り上げつつあります。一歩リードしたサービスインでiPhoneの新機能を先取りしたドコモ、ということで販売上有利になる可能性はあります。他社もauは「年内に」、ソフトバンクは「将来的に」VoLTEサービスを開始します。しかしこれがiPhone発売に間に合わなければ、ドコモにリードを許すことになるでしょう。

【150Mbps】

LTEで下り最大150Mbpsとなるカテゴリ4への対応ですが、当初はiPhone 5sから対応すると考えられましたが、この段階での対応が見送られました。しかし既に他社のスマホはほぼ150Mbps対応となった今、iPhoneが対応しない理由がありません。次期iPhoneは下り最大150Mbpsに対応したカテゴリ4端末となるのは間違いないでしょう。この下り最大150Mbpsに対応できるキャリアはドコモとauだけです。ソフトバンクは周波数の都合上最大で112.5Mbpsに留まることになります。ここで3社に差がつく訳ですが、実際に重要なのは理論値ではなく実測値でになります。auは150Mbpsとなる場所は郊外部分に限られ、ネットメディアなどで行われるであろうスピードテストではそれほど有利にならない可能性もありあます。一方でドコモは都心部でも150Mbps、ソフトバンクは同じく都心部でも112.5Mbpsであり、auの都心部75Mbpsを上回る可能性が出てきます。

【キャリアアグリゲーション】

この都心部でのauの不利を跳ね返すのがキャリアアグリゲーションです。次期iPhoneでの対応は微妙、というか対応するという情報が一切ないので不透明ですが、もし対応すればauも都心部で下り最大150MbpsでのLTEサービスを提供できることになります。スピード競争でも他社に大きく遅れることはないと考えられます。またキャリアアグリゲーションを実施できるキャリアは当面auだけであり、機能の特性である通信速度の安定性向上を強調してセールスできる可能性はあります。対応すればauにとって大きな武器になるでしょう。ただ情報があまり出てこないので、対応する可能性はあまり高くないかもしれません。

【Band41】


日本ではAXGPやWiMAX2+としてサービスされているLTEですが、これも次期iPhoneでの対応が確実視されています。対応すればソフトバンクではAXGP、auではWiMAX2+がiPhoneでも使えるようになります。都市部を中心に整備されている両サービスで、対応すればともに通信量の多い場所での通信の快適性向上に寄与することになります。特にAXGPは既にサービスエリアが全国に広がっており、9月から全国の都市部で利用できるメリットがあり、ソフトバンクのiPhoneの大きな特徴になるでしょう。さらに理論値ですが下り最大110Mbpsでの通信が可能であり、スピード競争でも武器になることは間違いないでしょう。au版のiPhoneに搭載されるWiMAX2+は9月時点でもエリア拡大途上であり、エリアが完成するのは来年の2月以降となります。その出遅れは一定のハンディとなってもおかしくはありません。なお、ドコモはこの周波数帯を利用することはできません。

【Hearth機能】


iOSの新機能であり、既存iPhoneでの利用できる機能ですが、キャリアにとってある程度の影響のある機能になる可能性はあります。ソフトバンクは去年からヘルスメーターをショップで販売しています。このヘルスメーターがHearth機能でさらにiPhoneと連携できるようになれば、契約獲得の商材としてではなく、普通に魅力のある商品に生まれ変わる可能性はあります。またauではRun & Walkなどのエクササイズ管理アプリを配布しています。スマートパス会員への特典もあり、Health機能の強化でスマートパス加入者増加も期待で来そうです。

【iCloud Drive】


iOS8とYosemiteから使えるようになる新機能ですが、これが直接キャリア間のiPhone販売競争に影響することはありません。しかしiCloud Driveを便利に使えば通信量が増加することは確実です。結果として、通信制限の厳しいキャリアや通信量が多くなる場合の料金が高額になるキャリアは相対的に不利になる可能性はあります。ソフトバンクでは3日で1GBの通信をすれば厳しい通信制限(規制日の午後は126kbps以下になる制限)が課せられます。これではiCloud DriveなどiPhoneとの新機能を存分に利用できるとはいえません。多くの人が月間利用量が3GB帝都であることを考えると、直接の影響はあまりないかもしれませんが、ヘビーユーザーには重要な視点になります。

【バッテリー容量増大】


スマホのバッテリー容量は利用者が改善を望む機能の一つです。次期iPhoneは大型化すると言われており、必然的に大型のバッテリーが搭載されることになります。結果としてバッテリー持続時間は増加しそうです。これまでも地味にiPhoneのバッテリー持続テストが行なわれてきましたが、au版のiPhoneが好成績を残していました。しかし容量増大でキャリアごとの小さな差を気にすることがなくなるかもしれません。もちろん長く持続する方がいいのですが、これまでのように購入時に気にする必要がない差になるかもしれません。

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