Apple Watch Series 4の心電図機能について、日経xTechが興味深い記事を配信しています。この記事によるとAppleは多額の費用と時間をかけてまで日本で心電図測定・記録機能を有効にするつもりはなく、日本のユーザーがApple Watchの心電図を使えるようになるのは非現実的と結論づけています。
医療機器としてのハードル
Apple Watch Series 4では心電図測定機能が新たに追加されました。しかし心電図を計測するには医療機器として認定される必要があり、現時点でこの機能が利用できるのは当局の認可が下りたアメリカで販売されたApple Watchに限定されています。日本でこの機能を有効にするには、まずApple Watchが「特定保守管理医療機器」として認証を受ける必要があります。
さらにApple Watchの販売店は管理医療機器及び特定保守管理医療機器の販売業、貸与業の許可を受ける必要があり、それぞれのハードルは非常に高くなっています(販売店には管理医療機器営業管理者が常駐する必要があります)。これらのコストは膨大になり、Appleが日本でApple Watchを特定保守管理医療機器として提供するのは非現実的と結論づけています。
ヘルスケア分野の限界か
Apple Watchは光センサーで心拍数を計測し、モーションセンサーで歩数や階段の昇降を感知して記録します。また様々なエクササイズの動きを正確に把握するなど、ヘルスケア、フィットネス分野での発展が期待されています。しかし心電図測定機能の例からもわかるように、精密な測定になれば必ず医療機器としての認証問題がつきまとうことになるでしょう。
今後、Apple Watchがさらにヘルスケア分野で発展を目指すなら、この問題は避けて通ることはできず、結果として記事にもあるように柔軟な制度を持つアメリカだけでヘルスケア機能を存分に使えるという状況も生まれかねません。Apple Watchのさらなる発展を願う日本のユーザーとして、この状況はあまり嬉しいものではありません。