AirPowerの技術的困難さは大量のコイルから発生する電磁波?

Appleが開発を中止し、発売を断念したAirPowerには解決すべき「技術的課題」があったとされます。今となってはこの課題がなんなのか、公式に発表されることはなさそうですが電子機器の分解と修理で有名なiFixitがAppleの提出した特許資料からその課題を推測しています。

AirPower

最大のウリが最難関

AirPowerは充電したいデバイスをどこに置いても、複数置いても充電できる画期的なワイヤレス充電器として発表されました。Appleは充電マット内に大量のコイルを設置することでこれを実現しようとしていたようです。Appleが提出した特許資料には15個のコイルが内蔵されたAirPowerの図面が描かれており、この構造を採用することでデバイスを置いても充電が可能になるとAppleは考えていたようです。

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しかし、様々な電子機器の分解と修理を手がけるiFixitはこの構造が技術的課題の原因の一つではないかと指摘しています。iFixitはAirPower内に大量のコイルがあることで制御不能な電磁波が発生し、周囲の電子機器(特にペースメーカーなどの医療機器)へ悪影響を与える恐れがあるとしています。このノイズの問題は以前噂された「充電中のデバイス間の通信」に関する問題と共通しそうです。

またiFixitはワイヤレス充電器から出る電磁波が強すぎてアメリカやEUの規制当局の基準を満たせなかった可能性も指摘しています。どのような電子機器も規制当局の基準をクリアできなければ製品として成立しません。漏れ出る電波の遮断と充電性能の維持は両立しにくく、Appleはこの問題を解決できずに開発を断念したのかもしれません。

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