Appleはワイヤレス充電マット「AirPower」の開発中止と発売断念を発表しました。スペシャルイベントで大々的に発表された製品が発売もされずにお蔵入りとなった例はなく、発売を待っていたファンの失望は大きかったと思われます。しかしこの発売断念は新たな不安も呼び起こしてしまいます。
HomePodはどーなるか
Appleが日本のユーザーを長く待たせている製品がHomePodです。アメリカでの発売から1年以上が経過した今でも、日本での発売のめどは立っていないように見えます。iOS 12.2.1のベータ版が公開されていますが、この中からもHomePodの日本語対応の兆しは発見されていません。少なくとも6月頃まで日本でのHomePod発売の可能性は低くなってきたと考えるのが自然かもしれません。
AirPowerの発売が中止される前なら「待てばいつかは発売されるだろう」と楽観的に構えていました。しかしAppleは技術的な困難に遭遇した場合、発売を中止するという前例ができてしまった以上、このまま日本での発売がなくなってしまうんじゃないかという不安感を持ってしまいます。HomePodだけでなく、Apple Watch Series 4の心電図機能なんかも日本では提供されないまま長い期間が経過しています。これも待てばいつか本当に使えるようになるのかかなり不安です。
サービスも同様
Appleはサービスでも、まずアメリカから提供し、その後他の国へと提供地域を増やしていくことが通例です。この提供国拡大も「諦めてしまうんじゃないの?」という疑念が大きくなってしまいました。アメリカでは使えて、日本では使えないサービスはApple Pay Cashをはじめ、Newsアプリや先日発表されたNews+が代表的です。さらに言えばApple Cardも当初はアメリカでの提供となっており、日本で近いうちに使える可能性はかなり低そうです。
Appleはアメリカで提供を始めたサービスを各国の事情に合わせて世界中に展開していくことでiPhoneの販売台数を伸ばしてきたのですが、この展開を「諦めてしまう」ことも考えなければいけないでしょう。結果としてAirPowerの発売中止は「諦め」への疑念を増大させてしまったと感じます。