Apple Musicのサービス開始から4年が経過し、全世界の有料会員が6,000万人を突破したとAppleの役員が公式に認めるなど、既に月額定額制音楽配信の定番サービスに成長しました。この勢いは日本でも同様であり、同時期にサービスを開始した他のサービスの苦戦を尻目に頭ひとつ抜けた存在になっているようです。
LINE MUSICもAWAも苦戦中
2015年7月1日からApple Musicがサービスを開始したのに前後し、AWAやLINE MUSICも同様のサービスを開始しました。双方とも活発なプロモーションを行い、無料期間を設定するなどでユーザー集めを急いだのですが、結果としてApple Musicの後塵を拝することとなりました。Apple Musicの国内契約者数は公表されていませんが、東洋経済の記事「LINE MUSICが「赤字続き」でも踏み止まる理由」では「日本における圧倒的王者」と表現されています。
記事中の数字、LINE MUSICの加入者数が120万人、売上高約70億円、国内のストリーミングサービス総売上高348億円から推計するとApple Musicの加入者は200万人〜250万人になり、LINE MUSICの倍以上の規模で頭ひとつ抜けた存在になっています。AWAも売上高30億円程度と続いているのですが、Apple Musicの規模には到底及ばない会員数なのは間違いないでしょう。
赤字でも撤退せず
Apple Musicに遅れをとったLINE MUSICもAWAも月額定額制音楽配信サービスの普及に伴い売上高を増加させているものの、事業での赤字が解消されない状況が続いています。プロモーション費用、無料期間の楽曲使用料の支払い、システム運営費用などが赤字の原因になっていると思われますが、これからさらに拡大する市場で自社サービスの基盤を生かして会員数を増やして黒字への転換を目指すようです。
ただLINE MUSICやAWAにとってApple Musicとの差別化は難しく、先日の安室奈美恵さんの楽曲のApple Music独占配信(月額定額制音楽配信サービスで)のように費用のかかるプロモーションは打ち出しにくいでしょう。Apple Musicがさらに攻勢を強めるとLINE MUSICやAWA、それ以下の配信サービスはさらなる苦境に追いやられるでしょう。最近の動きの大きさを考えると、これから数年で一気に決着がつきそうな気がします。