Appleがアメリカでクレジットカード事業「Apple Card」を開始して少し経ちます。これまでのクレジットカードに比べて安全性が高く、各種手数料が抑えられ、カードのデザイン性が高いといった点が話題になっていますが、ネットメディアAppleInsiderのレビュー記事(英語)でもその点は高く評価されているようです。
カードのデザイン
Apple Cardが発行するチタン製のカードにはカード番号、有効期限は表示されず、裏面のサインも不要になっています。そのためカードはシンプルなデザインとなっており、これまでのクレジットカードとは一線を画すものになっています。またICチップについても、他のカードでは電子回路の配線の模様がそのまま表面に露出しているのですが、Apple Cardでは6つの楕円になっています。これもAppleのデザインへのこだわりとされ、カードのシンプルなデザインを際立たせています。
またApple Cardを磁気読み取り装置でカードの情報を読み取る際、磁気テープをカード下部に配置してカードを上下逆さまにしなくても読み取れるようにしています。そのため読み取りの際にロゴや文字が逆さまになりません。かなり小さなこだわりですが、日々のクレジットカード利用体験を少しでも向上させようというAppleのこだわりになっています。
ポイント還元
Apple Cadのポイントは他社のカードとは異なり翌日にApple Payの残高として還元されます。Apple Cardのテクノロジー活用を強調するポイント還元方法であり、iPhoneとクレジットカードが一体化していることを利用者が実感できるやり方でもあります。またAppleファンにとってはApple製品の買い物やiTunesなどのサブスクリプション契約の支払いで3%が還元されるため、ポイント面でも使い勝手のいいカードになっています。
しかしポイントを集める効率性を主眼にクレジットカードを選ぶ場合はApple Cardはその選択肢には入らないようです。他社カードの方が効率的にポイントを貯められ、有効な使い方ができるケースが多くあるとして、レビュー記事ではポイント還元はそれほど高い評価とはなっていません。
Appleファン向け
これらを総合してApple CardはAppleファンにとっては非常に魅力的なカードになるとしています。Appleのこだわりを日々の生活で感じて、クレジットカード利用体験の質を高めたい、そう考えている人にとっては非常にいいカードなのでしょう。Apple製品の購入時のポイント還元、iPhone(Apple Pay)との相性の高さ、アプリでの支出管理などもあり、AppleファンやiPhoneのヘビーユーザーにとっては支出の体験自体が大きく変わるカードになり得ます。
ただiPhoneは使っているものの、それほどAppleファンでもなく、ポイントはたくさん貯めたいというユーザーにとってApple Cardはそれほど魅力的なカードとは言えないでしょう。そうした点も考慮してAppleInsiderは評価を「☆4.5」としています。