MVNOの「Apple Watch セルラーモデル」はまだ非現実的?

Apple Watch Series 3からセルラーモデル(GPS + Cellularモデル)が登場し、携帯電話網を通じて単独でインターネットに接続できるようになりました。この結果iPhoneを持ち歩かなくてもApple Watch単独でその機能の大半が使えるようになりました。しかしセルラーモデルが使えるのは、MNOで契約されたiPhoneとペアリングされた場合に限られ、MVNOのiPhoneとペアリングして使うことはできません。この問題はSeries 3発売当初から指摘されていましたがいまだに解決していません。

設備投資が必要

セルラーモデルのApple WatchはiPhoneが近くにある時でも、近くにない時でも電話の発着信が可能です。この機能は単純に見えますが、Apple Watchを単独利用している時はiPhoneが呼び出されることなくApple Watchに直接着信が繋がれるなど、裏では複雑な処理が走っていることは確実です。この複雑さがMVNOによるApple Watch取り扱いのハードルになっているようです。

6月30日に開催された総務省の有識者会議「競争ルールの検証に関するWG」でも、MVNOがセルラーモデルのApple Watchを取り扱えないのは競争上の不利に当たるのではないかとAppleの担当者が質問を受けています。しかしApple側はあくまでMVNOの技術的、経営的な問題のためセルラーモデル導入が進んでいないとの考えを示し、Appleが恣意的に取り扱い事業者を絞っているわけではないと反論しています。(なぜ、MVNOのeSIMでApple Watchが使えないのか――総務省・有識者会議でアップルが総ツッコミにあっていた

コストとリターン

MVNOがApple Watchに関連する複雑な処理を可能にする設備の整備にかかるコスト(もしくは設備を借りるコスト)と、セルラーモデルのApple Watchを販売することでの収益を天秤にかけて経営判断として導入していない。これがAppleの主張のようです。確かにApple Watchの普及は進んでいますが、セルラーモデルはあくまでオプション的な扱いであり、販売されているApple Watchの大半はGPSモデルだと考えられます。

こうした状況でMVNOがコストをかけてセルラーモデルのApple Watch取り扱いを始めたとしても、それに見合うリターンは望めないのかもしれません。そう考えるとMVNOでのApple Watchセルラーモデル取り扱いはまだまだ非現実的なのかもしれません。とはいえeSIMへの対応などでMVNOでiPhoneを使う人がさらに増え、Apple Watchが今よりもさらに普及すれば、状況は変わるかもしれません。長期的に考えれば全くない話ではなさそうです