Appleの新サービスは苦戦中、底力での着実な成長に期待

Appleは2019年にApple News+Apple TV+Apple Arcadeの3つの新サービスを開始しました(Apple News+は日本では未提供)。しかしこれらサービスは当初の期待よりも会員獲得に苦戦しており、いまだに業績に寄与できるほどのスケールにはなり得ていない可能性が指摘されています。

Apple TV+

7月30日に業績発表

Appleは7月30日の夕刻(日本時間7月31日早朝)に2020年4-6月期の業績を発表します。新型コロナウイルスの世界的な流行で各地のApple Storeが閉鎖に追い込まれた期間の業績がどのようになったのか、そして2020年後半の生産や販売にどのような影響を与えるかに注目が集まっていますが、もう一つ、Appleの急成長部門であるサービス売上も注目されています

Apple Arcade

iPhoneの販売台数が伸び悩んだ時期も一貫して成長を続けていたのがサービス部門であり、Appleの主力部門になりつつあると認識されていました。しかし2019年から始まったApple News+Appple TV+Apple Arcadeは当初の予想より苦戦しているのではないかとBloombergが記事中で指摘しています

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確かにApple TV+にはNetflixやAmazon Prime Videoのような特徴はなく、Apple Arcadeには月々の料金を払ってまで遊びたいゲームがあるかと言われれば微妙で、契約者を大々的に集める状況にはなっていないと考えられます。Apple News+はアメリカの大手新聞社が同サービスへの参加を見送った(取り止めた)ことも影響して、さらに状況が悪いと予想されています。

これら状況が7月30日の業績発表でどの程度把握できるかはわかりませんが、2019年の新サービスの好不調を推測できるサービス部門の売上高には注目が集まっています。

底力に期待

Appleは発表直後から一気に普及しなかった製品やサービスでも粘り強く改善し続け、その後大きな事業に育ててきた過去があります。例えば地図サービスはリリース直後の酷評を受けたものの、地道に改善を続け今でも使いやすさの追求を続けています。結果としてGoogle Mapに引けを取らない地図サービスになりつつあります。またApple Watchも発売当初は奇異の目で見られていたのですが、機能の追加や製品特徴の明確化を通して今ではスマートウォッチの代名詞になるまでに成長しています。

Apple TV+

Apple TV+もApple Arcadeも、そしてApple News+も着実に改善(コンテンツ追加)と使いやすさの追求を続けることで、いつか大きなサービスになり得ると私は考えます。特にApple TV+は巨額の制作費を投じた作品を作り続けており、いずれ質の高い映像作品を多数揃えたメディアになる可能性を秘めています。Appleが苦戦していると伝えられているようなコンテンツ配信サービスの趨勢は数ヶ月や1年という期間ではなく、5年、10年という単位で見ていくべきなのかもしれません。

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