Facebookは2021年度第2四半期の業績を発表しました。これによると売上高は290億ドルで、前年比56%の成長となっています。この期間中にAppleはiOSのプライバシーポリシーを変更し、ユーザー情報をもとにした広告配信が難しくなったのですが、その影響は今のところ見られないようです。
Appleと激しく対立
iOS 14.5以降、アプリがユーザー情報を利用する場合は明示的な同意が必要になりました。すでに個人情報の利用許可を求めるポップアップを目にした人も多いと思いますが、ほとんどのユーザーはトラッキングを許可しないを選択しているようです。この影響でユーザーを追跡してより精度の高い広告を出すことが不可能になりました。そのためFacebookなどの広告掲載を主要な収益源としている企業の業績に大きな影響を与えると予想されていました。
FacebookもiOS 14.5のこの機能についてAppleを激しく非難し、Appleと対立してきました。それでもAppleは開始時期は少し遅らせたものの、厳しいプライバシーポリシーをiOSアプリに求めるようになりました。ただFacebookの業績を見る限り、プライバシーポリシーの変更は大きな影響を与えていないように見えます。とはいえFacebookの財務担当役員は第2四半期の影響は少なかったが、影響は第3四半期以降に出てくると述べており、今後の動向に注視が必要なのは変わりがないようです。
広告収入は多くのWebサービス、アプリ運営を支えているのは事実です。この収入が減っていくなら、現在のインターネットビジネスの多くで構造の修正が必要になるでしょう。一部はサブスクリプション型のサービスに移行するでしょう、また一部は機能、コンテンツ毎の課金サービスになっていくかもしれません。ただ一部のサービスはて今日を終了してしまう可能性はあります。Appleのプライバシーポリシーの変更はこれまでのインターネット文化が破壊する可能性を孕んでいるのは事実です。