毎年、iPhone発売に前後してネットメディアがスピードテストを実施します。今年もAsciiが山手線の主要駅でiPhone 6sのスピードテストを行いましたが、去年もiPhone 6で同様の調査を行っています。
キャリア間の競争にはあまり差が出なくなっているので面白く無くなったのですが、去年と比べて今年はどうなったかを見ると、また違った姿が見えてきます。
アスキーの調査は以下のとおり(iPhone 6は昨年の発売直後に実施)。なお量調査は時間も場所も異なるので厳密な比較対象にはならないかもしれません。
結果から言えばソフトバンクが2駅を除いて去年の実績よりも速くなっているものの、auは全て去年が上、ドコモも2駅以外で去年を下回る数字になっています。
原因はいろいろ考えられます。特にauの場合、WiMAX2+対応機種がほとんど出回っていない状態でiPhone 6/6 Plusが発売され、かなり条件のいい測定ができた可能性があります。しかしその後iPhone 6/6 Plusの普及、他の対応機種の増加で速度が出にくくなったのではないでしょうか。またLTE対応機種の増加でauが得意とするBand18が混み合っていることも結果に影響しているかもしれません。
またドコモも同様にほとんど使われていなかったBnad3を都心部で展開できたことで、iPhone 6発売時にはかなり速い実績を残せたと推測できます。今年はBand3とBand19のキャリアグリゲーションが可能となり、下り最大262.5Mbpsにまで最高速度を向上させていますが、その効果が端的に見られたのは渋谷駅だけかもしれません。
一方ソフトバンクはiPhone 6発売時には他社に遅れを取っていたものの、Bnad1を下り最大75Mbpsから112.5Mbpsへと増速し、またプラチナバンドの10MHz幅のLTEと合わせて下り最大187.5Mbpsを都内の広い地域で実現しています。その効果が去年を上回る結果につながったと推測されます。
また全社の傾向から言えることとして、最高速度が200Mbpsを超えても、やはりデータ通信量はどんどん増加していて、あまり実測値は上昇していません。LTEスマートフォンの普及とデータ通信量の増加はまだまだ続いていると考えられます。