50万人以上がApple Pay(Suica)で交通機関を利用 これは多いか、少ないか

Appleの決算発表では興味深い数字が多数発表されました。その中で日本のApple Payについても言及されており、ティム・クックCEOは「日本では50万人以上がApple Payで交通機関を利用している」と発言しました。なかなかの規模で利用が広がっているとは思いますが、まだまだ少なく、もっと増えてもいい気もします。

Apple Pay利用可能機種の影響も

当然ですが、現時点で交通機関でApple Payを利用するにはiPhone 7、iPhone 7 Plus、Apple Watch Series2のいずれかが必要です。これまでの販売実績から考えても、全て合計しても700万台程度で、全iPhoneユーザーの1/6程度ではないかと推計されます。これではApple Payで交通機関を利用する人数がそれほど多くならないのもしょうがないかもしれません。

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ただ、これは将来的にApple Payが使える機種が普及すれば、「50万人」という数字はもっと増えるでしょう。またApple Watchも徐々にではありますがユーザー数を増やしています。来年、再来年になれば交通機関を利用するユーザー数は2倍、3倍と増えていくと考えられます。

定期券がSuicaだけ、これが大きな問題

Apple PaySuicaは全国の主要交通系電子マネーと相互利用が可能であり、大阪や名古屋などの改札でも利用できます。しかし定期券は別です。日常的に交通機関を利用する人の大半は定期券を利用していますが、Apple Payでの定期券利用はSuicaに限られています。この制度の影響で関東圏以で日常的にSuicaを使うのは難しくなります。

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また東京でも私鉄、地下鉄、バスだけ(またはこれらの組み合わせ)で通勤、通学をしている人Apple Payの定期券が使えません。無理やりJRを経由するルートを設定できればいいのですが、料金をそれほど変えずにそれができるケースは稀です。Apple Payでの交通機関利用者が「50万人」に止まっている大きな原因はこれだと思われます。

交通系電子マネー

将来的にはSuica以外の交通系電子マネーと連携して定期券の購入を可能にしていけば、交通機関での利用拡大につながるでしょう。交通機関での利用が広がれば、買い物での決済を含めたApple Payの利用者数拡大につながることも当然期待できます。ユーザーとしてはぜひ取り組んでもらいたい課題ではあります。

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