Appleはここ数週間話題になっていた「バッテリーが古くなるとiPhoneのパフォーマンスが落ちる」現象に関してコメントを発表しています。それによるとこの現象は古いバッテリーでもiPhoneが安定的に作動するように意図的にパフォーマンス低下が起こされているとしています。
バッテリーの寿命か性能か
12月に入り、iPhoneのベンチマークスコアとバッテリーの使用期間には負の相関があると話題になっていました。ユーザーによる調査でバッテリーを長く使えば使うほど、iPhoneの性能が落ちていく様子が鮮明に観測されていました。このことに関してAppleはネットメディアの取材に「気温の変化によるバッテリーの異常や予期しないシャットダウンを防ぐための措置」としてiPhoneに組み込まれてたものとしています。
古いバッテリーではプロセッサが要求するピークの電力を供給できない可能性があり、それをiOSが察知した場合はパフォーマンスを落として対応します。ちなみにバッテリーの新しい、古いを決めるのは充電回数ではなく急激な温度変化や高温、低温によるバッテリーの損傷だとされます。
Appleに悪意はなかった
今回のiPhoneの挙動に関して、Appleが意図的に古いiPhoneを買い替えさせるために仕込んだものとする説がありましたが、どうやらそこまで悪意のあるものではなかったようです。しかし性能が低下したiPhoneユーザーにはその原因が告知されておらず、ユーザーは古くなったことで動作が重くなってしまったと感じてiPhoneを買い換える可能性はあります。
Appleはもう少し明確にバッテリーの古さとチップ性能の関係に公表したほうが良かったのかもしれません。ちなみにiPhone 7/7 PlusもiOS 11.2からはこの制御の対象となっており、バッテリーが損傷して古くなったiPhone 7は実際の性能が従来に比べて落ちてしまう可能性があります。
なおバッテリーを交換すれば、当然ですがパフォーマンスも元に戻ります。