未明のWWDCの基調講演ではiOS 10、macOS Sierra、watchOS、tvOSが発表されました。中でもiOS 10は10の新機能として長い時間をかけて紹介され、世界中の人がLive中継を見ながら新機能に一喜一憂しました。
iMessageがLINEと競合する?
中でもiMessageは長い時間をかけて紹介されていました。手書きの文字が送信でき、スタンプ機能を搭載し、Apple Musicの楽曲を共有でき、メッセージ本文を徐々に開封できるようにしたり、機能写真に演出を加えて送信することもできます。日本で最も普及しているLINEでできること以上のことができそうです。
iMessageの新機能は非常に面白いと感じましたが、日本ではLINEのシェアが高く、今すぐにiMessageがコミュニケーションツールとして便利に使えるとは思えません。しかし、過去にはSNSで圧倒的なシェアを持っていたmixiをFacebookやTwitterが駆逐した例もあります。もしかしたら、数年ほどでメッセージアプリの力関係は大きく変わるかもしれません。
ただそれにはiMessage for Androidは必須でしょう。WWDCでは発表されませんでしたが、もしかしたら秋のiOS 10リリースに合わせて提供されるかもしれません。どうなるでしょうか。
VoIPを電話アプリで使えるのはすぐに便利に
iOS 10から電話アプリも大きく進化します。VoIPサービス(Skype、LINE通話など)が標準の電話アプリでも使えるようになります。また連絡先アプリなどから直接VoIPサービスで通話を発信することも可能になります。これでかなり便利になると思います。
今まではAppleのVoIPサービスであるFacetimeでしかこのような使い方はできませんでしたが、Facetiemは利用者が少なく、いくら便利になったとしても利用者がそれを実感する機会は少ないのも事実です。iPhoneで便利に使えるVoIPサービスにLINE通話やSkypeなどが加わればすぐに便利になりそうです。通話は電話の最も重要な機能の一つで、その機能がiOS 10で強化されたことは単純に言えばiPhoneが便利になるということです。
最近は通信キャリアが通話定額サービスを提供していますが、VoIPがさらに便利になれば、定額サービスの競争力が落ちることも考えられます。また定額プランを提供していないMVNOの低料金プランの競争力が増すことも予想されます。電話アプリの機能向上は多方面に影響が出そうです。