AppleはApple TVのコントローラーアプリ「Apple TV Remote」をアップデートし、iPadでも利用できるようにしました。これでiPadをApple TVのリモコンとして利用できるようになり「リビングに1台iPadを置いておけば便利」という状態に一歩近づきました。
低価格iPadの狙いも同様か?
3月21日に発表された新しいiPadは性能は抑えめな反面、価格も抑えめで購入しやすい商品となりました。これまで使われてこなかったような用途でも利用が広がっていく気がします。またiPadはiPad Air2よりも重くなっていますが、リビングに置いて使うというスタイルでは重さよりも価格が重要で、今回のiPadはリビングにぴったりな商品という印象です。
そのリビングの真ん中にあるiPadでApple TVが操作できるようになるのは必須でしょう。Apple TV Remoteアプリの機能拡大もこの流れに乗ったものと考えられます。コンテンツやアプリ、音楽の選択、操作がiPadでできるようになれば家族みんながリビングで使うiPadとしての役割が見えてきます。
またiPadはHomeKit対応の家電製品などをコントロールすることもできます。リビングの真ん中にiPadがあれば、テレビだけでなくHomeKit対応製品のコントロールでも便利になるでしょう。これまでのiPadの用途(コンテンツ閲覧や簡単な文書作成など)とは違った用途が想定できるようになりつつあります。
HomeKit対応製品はまだまだ普及途上
リビングのiPadが便利に使えるようになるには、HomeKit対応製品の普及が不可欠です。しかし日本ではまだHomeKit対象製品はそれほど多くありません。リビングで操作できる家電の種類が増えればいいのですが、これはなかなか進みません。理想を言えば、テレビやエアコン、床暖房、インターホン、窓やドアの施錠などの操作が全てがiPadでできるようになればいいのですが、これが可能になるにはまだ時間が必要でしょう。
ただSiriについては期待できそうです。リビングのiPadでSiriが色々な要望を叶えてくれるようになれば、まさにGoogleやAmazonが目指すホームアシスタント端末と同じ役割を果たせそうです。タクシーの配車、美容院の予約、天気や気温の確認、電話、メッセージ送信などリビングのSiriでできれば便利になることは多そうです。これらはアプリ側の対応で可能になることで、HomeKit対応製品の普及よりもハードルは低そうです。
「少し重いけど、安いiPad」はリビングでSiriとApple TVとHomeKit対応製品を結びつける役割を意図して発売されたのかもしれません。