iOS 10.3でAppleにiCloud内のデータを「提供しない」ための設定方法

28日未明に配信されたiOS 10.3ではiCloud内の様々なデータをApple側に提供する設定が盛り込まれています。Appleはこのデータをプライバシーが守られる状態で取得してSiriなどの性能向上を目指すようですが、個人の大事な情報を提供することに抵抗のある人もいるでしょう。データを提供したくない人は自分で設定を変更しなくてはいけません。

iCloud

初期設定は「オン」

iOS 10.3iCloud上のデータをAppleが利用することができるのですが、初期設定の状態では「iCloud解析を共有」は「オン」になっています。何もしなければデータの提供が続きます。「オフ」にするには「設定」→「プライバシー」→「解析」と進み、「iCloud解析を共有」をオフにします。これでApple側には共有されません。

icloud

何もしなければ自動的にApple側にiCloudのデータが提供されます。これはこれですこし不安なことですが、Appleには多くのiCloud上のデータが集まるようになっているのではないでしょうか。ちなみにデータはプライバシーが保護される形で収集されるため、それほど神経質になる必要はないかもしれません。

何が収集され、何に使われるのか

Appleは「iCloud解析を共有」の説明でiCloudアカウントの使用状況データを解析するとしています。説明は非常に抽象的ですが、この説明の下で最大限にデータを利用するとすれば、個人を特定しない形で位置情報写真データアプリの履歴などが収集されていると考えてもいいかもしれません。

Siri

これらデータはSiri(やその類似機能)の機能向上に使われるとしています。例えば「周辺の人気の店を教えて」とSiriに聞いた場合、多くのアカウントの位置情報が集まる店を教えてくれるようになるのかもしれません。また写真アプリの検索機能はiCloud上にある大量の写真情報を加味することで、精度を高めることができるかもしれません。

またAppleはダークデータ分析の専門企業を買収しています。この企業は一見無意味なデータを人工知能(機械学習)を使って整理する技術を研究しています。iCloud内の無意味で乱雑なデータを有意義に変換することを狙っているのかもしれません。データの収集は近未来SFによくある気味の悪い話ですが、Appleを信頼するなら「ON」のままでもいいかもしれません。

Google Home

Appleは今後、SiriGoogleAmazonホームアシスタント端末と競争していくことになります。その時、Siriの便利さはまず最初に問われる部分であり、早急にSiriの精度、利便性を向上せる必要があったのでしょう。その準備がiOS 10.3から始まったと言ってもいいのかもしれません。

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