auの新料金プランの「料金」にあまり期待できない理由

ドコモが「定額通話プラン」と「パケットシェアプラン」を6月1日から開始し、ソフトバンクも先週末に新プランの概要を発表し、7月1日からのスタートを公表しました。ソフトバンクの新プランはほぼドコモのプランをコピーした内容であり、特に目新しさはありませんでした。こうなってくるとauの新プランに期待したいところですが、こちらも料金的にはあまり期待できないでしょうか。

ドコモ、au、ソフトバンクの3社は携帯電話市場で圧倒的なシェアを持っており、現状は「競争しない」という選択肢が最善手になっています。3社ともiPhoneを手にしたことも影響しているでしょう。そんな中でドコモが新料金プランを発表した背景にはMNPでの契約流出が問題になっていたためでした。MNP流出を阻止するため、長期契約者優遇や家族でのパケットシェアなど、プラン設計の随所に工夫が読み取れます。このプランは一定の成果を出したと思われ、他社は対抗に迫られます。

しかし他社は更なる対抗策をとって、ドコモより値下げへと踏み込むのは収益悪化を招く悪手になってしまいます(ドコモがすぐに値下げすれば、全く意味のない値下げになってしまいます)。auにとってもソフトバンクにとっても最善手はやはりコピーなのです。その辺りの阿吽の呼吸はKDDIの田中社長が「我々は価格競争はしない」と発言したことからも窺い知れます。

それぞれ企業が話し合って同一プランを提供すると「価格カルテル」となって摘発の対象となりますが、何となくの空気を読んで価格設定をすれば法的な問題はナシとされます。その空気を送ったのが「価格競争はしない」発言でしょう。その発言を聞いて、ソフトバンクも安心してドコモのコピープランを出せたと思われます。

料金が期待できないなら、せめてシェアの利便性を期待したい

このような公の場での発言を通して他社に「空気」を伝えたのはキャッシュバック競争が過熱していた時期にも行なわれています。KDDIの社長がキャッシュバックの現状を「わりときもちいい」と表現して、他社でこの水準を続けようと示唆したことがありました。

今回、ドコモは定額通話プランで頑張ったと思います。しかし、それに追随して芸のないプランを発表するというのは、なんとも消費者を無視した動きです。最後の砦、auの動きには期待もしますが、諦めにも似た気持ちで新プランの発表を待っています。auのプラン次第では携帯電話業界全体が「消費者を無視する業界」として認識されてしまう恐れもあります。

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