TIME誌が2017年の優秀な発明品(画期的な製品)を25個選び、「The 25 Best Inventions of 2017」として発表しています。その中にiPhone Xも含まれています。TIME誌はiPhone Xのどこを評価しているのでしょうか。
未来を見据えたスマートフォン
TIME誌ではハードウェアエンジニアリング担当の上級副社長Dan Riccio氏の言葉を借り「iPhone Xは文字通り夢の実現」と表現します。細くなったベゼルで全面に広がったディスプレ、Face IDによるロック解除、ARに最適化されたプロセッサを搭載した、おそらく世界で最も洗練されたスマートフォンとまで言います。
確かにこれら機能の多くは他社製のスマートフォンにも搭載されているのですが、これらを高い完成度で組み合わせたものがiPhone Xだとは思います。また全面ディスプレイのためにホームボタンを排除する必要があったものの、操作面での不自由なしにそれを実現させたことも大きく評価されています。さらに言えばiPhone Xの登場でスマートフォン全体の方向性が定まった感もあります。
そう考えるとiPhone Xは確かに2017年の偉大な発明の一つであることは間違い無いでしょう。
iPhone Xの性能を活かすのはこれから
ただiPhone XがARに最適化されているとはいえ、まだAR対応アプリが実用の範囲にようやく入った段階というのが事実です。多くリリースされているARで物のサイズを計測するアプリも、条件によっては正確に測定できるのですが、その条件を外れるとほとんど使い物にならないアプリです。ARはまだ便利機能というよりも、面白機能にとどまっています。これもiPhone Xが切り開いた世界で今後1、2年で一気に実用レベルになっていくと考えます。
また価格はiPhone Xの最も大きな欠点だと思います。スマートフォンに12万円、13万円を支出するのは一部のファンが中心になります。これを一般ユーザーに広めるにはiPhone X(と同等の性能を持ったiPhone)をさらに安くする必要があるでしょう。部品の価格が落ち着き、製造ノウハウが蓄積されることで同性能のiPhoneも安く製造できる日が来るのは確かでしょう。ただそれも1年、2年の時間が必要かもしれせん。
そう考えるとiPhone Xはまだまだ発展余地のある発明だとは思います。