auとソフトバンクが2年契約と違約金をセットにした契約体系を変更すると発表しました。総務省に言われてやっていることなので、ドコモも同様のプランを用意しており、3社が横並びでいわゆる「2年縛り」を改善するようです。
3年目以降、いつでも解約できるがメリットは小
今回2社から発表されたプランは25ヶ月目以降、いつ解約(MNP)しても違約金が発生しないプランです。その代わり月額料金は300円ほど高く設定されるようですが、これまでの2年契約なしのプランに比べて負担は少なくなっています。
一見、消費者にとってメリットの大きそうなプランに見えますが、よく計算してみると金銭的に既存2年縛りプランより「得」となるのは契約後27ヶ月目から32ヶ月目に解約する場合のみです。それ以外の時期に解約する場合は、これまでどおりの2年縛り契約で解約時に違約金9,800円を支払った方が負担が少なくなります。
縛られない自由を感じるための300円か
携帯電話契約を解約するのは死亡や傷病といったケースを除けば、サービスへの不満や不信が溜まった場合が多いのではないでしょうか。サポートセンターと交渉し、改善を要望しても全く改善されず、イライラしつつ解約したら盗人に追い銭のように9,800円を請求される、これは最高にストレスが溜まります。
今回の新プランの料金体系は、そういうストレスを事前に防ぐ意味で毎月300円を払う、そう考えるしかありません。単純に料金は同じで2年契約終了後、自由に解約できればいいと希望する利用者が多いかと思いますが、なかなか利用者側の希望するような形にはなりません。
競争が解決することを望む
今回のような中途半端な改善プランしか出てこないのは、やはり大手3社が市場の大半を抑えているからでしょう。競争が激しければ、こうはならなかったと思われます。
携帯電話大手3社はMVNOにギリギリまで追い詰められないと、重い腰を上げないかもしれません。そのためにも強大な競争力を持ったMVNOの登場を、そしてAppleやGoogleなどの巨大企業の参入を望みます。