Appleが予期しないシャットダウンを防ぐため、バッテリーが劣化したiPhoneの性能を調整(抑制)していたことが判明し、昨年末から大問題に発展していました。Appleは当面、古いiPhoneのバッテリー交換費用を大幅に減額することで対応していますが、まもなく開発者向けにリリースするiOSのベータ版では性能調整を無効にできるとしています。
2月からベータテスト開始
ABCニュースのインタビューに答えたティム・クックCEOは「iPhoneの性能調整を無効にする機能を含むiOSのベータ版が、来月にも開発者に提供される」としています。来月にベータ版がリリースされるとすれば、性能調整の無効機能が実際に安定した機能として一般公開のは3月になりそうで、iOS 11.3からの実装となりそうです。
Appleはユーザーに無断で性能を調整していたことを謝罪しており、無効設定のオプションを提供することも今回の問題を解決する一つの方法です。ユーザーは性能を優先するか、安定性を優先するか、自分で決められるようになります。調整機能をOFFにすれば、実際にどのくらいシャットダウンが発生するかは不明ですが、ユーザー自身が判断できることはいいことだと思います。
なおAppleはこの性能調整無効オプションをONにすることを推奨しないようです。緊急時に予期しないシャットダウンが発生すれば、命に関わる問題にもなります。2台目、3台目として使っているiPhoneや、常にすぐ近くに他の連絡手段がある場合に限っては無効設定をONにしてもいいかもしれません。これは単に古いiPhoneの性能を上げるオプションと捉えるのではなく、ユーザーが利用環境などを考慮した上で慎重に判断すべき事柄でしょう。