iOS 11.3がヨーロッパで今後10年間に7,500人の命を救う?

iOS 11.3の新機能はAppleから公式に発表されています。その発表の中でiOS 11.3には「Advanced Mobile Location(AML)」が搭載されると小さく触れられています。AMLはヨーロッパで採用されている緊急通報時の位置情報通報システムであり、すでにAndroidスマートフォンには採用されています。

AML

緊急通報イメージ

プライバシーより人命

Appleはプライバシー保護の観点からAMLの採用を見送ってきました。ただ欧州緊急連絡協会は昨夏に「AMLには強固なプライバシー保護機能が組み込まれているため、Appleが心配する必要はない」と声明を出していました。こうした動きの結果、iOS 11.3からのAML搭載ということになりました。今回のAML採用について欧州緊急連絡協会はすでに歓迎のコメントを出しており、iOS 11.3を搭載したiPhoneからの緊急通報には位置情報が付加されることになります。

日本の緊急通報時の位置情報提供

なお位置情報はGPSWi-Fiから取得され、指令センターに自動的に送信されます。子供が親の異変を察知して救急センターに通報したものの、住所などを言えない時にAMLが有効に使われた例が既にあります。なお前述のようにAndroidスマートフォンにはAMLが搭載されており、その実績から推計した数字が10年間で7,500人の命を救うというものです。

日本でも導入済み

iOS 11.3に搭載されるAMLは日本のユーザー(ヨーロッパ以外のユーザー)には関係ありません。ただ日本では既に携帯電話から緊急通報した際にGPSや携帯電話基地局から取得した位置情報を通知するシステムが稼働しています。iPhoneではiPhone 4以降の機種が対応しており、現在流通しているほとんどのiPhoneが緊急通報時の位置情報提供に対応しているといっていいでしょう。

緊急 位置情報

なお何らかの理由で位置情報を緊急通報先に知られたくない場合は「184」を番号の先頭に付加して発信すれば位置情報が通知されることはありません。ただ各通信キャリアは人命に関わる場合は位置情報を非通知にしたとしても、関係機関による情報取得があると説明しています。

更新情報を配信します