日本のLTEがどれだけ恵まれているか、という資料(※制作ソフトバンク)

ソフトバンクがT-mobile買収を目指す一環として孫社長がアメリカで講演会を開いたわけですが、そのプレゼンテーション資料が公開されています(プレゼンテーション資料:英語PDF)。

この資料で、ソフトバンクの携帯電話事業参入で日本の通信料金がどれだけ下がったか、通信速度がどれだけ速くなったかが強調されています。この資料を見る限り、日本のLTE(無線ブロードバンド)環境はかなり恵まれていると言えるでしょう。そしてソフトババンクの参入でアメリカの通信環境も日本のように良くなると言わんばかりの資料になっています。

しかしこの資料に書かれていることを素直に受け取ることができないのも事実です。

ソフトバンクはモバイル通信のヘビーユーザーに対しての抑止力として、4月から始まる新料金プランでは実質的な従量課金制(上限を設定するのには有料オプション加入が必要)を始めます。またソフトバンクは動画再生で一部画質を低下させる制限も実施しています。さらにiPhoneのFaceTimeでもソフトバンク回線だと接続に失敗することが多くなります。そして、モバイルデータ通信を3日で1GB以上利用した際の規制が厳しいのもソフトバンクです。

これで本当にプレゼンテーションで示された理想の社会に辿り着けるのでしょうか。LTEが社会を変える、経済を変えると大風呂敷を広げるなら、是非日本でその妨げになるような通信規制や分かりにくい料金体系を改革してもらいたいところです。何度もこのブログに書いていますが、ソフトバンクは日本市場でも守りに入らず、保守的な上位2社を突っついて市場をかき回す存在でいて欲しいです。

日本とアメリカで市場ごとにセールストークを使い分けても、一般消費者は気付かないかもしれません。しかし、それは好ましいことではないと思います。

更新情報を配信します