Appleは現在、月額定額制の音楽配信サービスApple Musicを全世界で展開し、またアメリカでは買収したTextureが運営していた定額制の雑誌読み放題サービスを提供しています。これらに加え、Apple Music内でオリジナル動画コンテンツの配信も実施しており、Appleはこれらコンテンツ配信の契約を統合する計画であるとアメリカのネットメディアが報じています。
課金方法は定まらず
Apple Musicは月額定額制の配信サービスとしてすでに定着しているのですが、それ以外のコンテンツ配信の課金方法はまだ定まっていないのが現実です。オリジナル動画の配信はApple Music加入者向けに提供されており、それだけで収益を上げる存在にはなりきれていません。また雑誌読み放題サービスも買収したTextureのサービスを引き継いでいるだけで、Appleのサービス体系に取り込まれてはいません。
これら音楽、動画、雑誌のコンテンツ配信をどのように組み合わせ、どのように消費者に提供していくかは非常に注目されているのですが、今回の報道によればAppleは「3つを統合して契約する方法」を検討しているとされます。現在のApple Musicの980円にある程度プラスするだけで雑誌とオリジナル動画コンテンツも無制限で閲覧できる、そんなイメージでしょう。楽しみではあります。
日本での課題
ただAppleの音楽以外のコンテンツ配信は発展途上です。オリジナル動画はまだ2作品のみで、それも大ヒットしたとは言えない作品だけです。また雑誌の読み放題サービスはアメリカが対象となっており、日本では利用できません。そのため現時点で日本のユーザーがこれらを楽しみたいと思えば、NetflixやKindle Unlimitedなどを契約するしかありません。Appleはスタートラインにも立てていません。
今後、国内の雑誌読み放題にも対応し、さらにオリジナル動画の作品数が増えて日本のユーザー向けのコンテンツが充実すれば先行サービスとも勝負にはなるでしょう。ただ今のペースではAppleがNetflixやAmazonに対抗していくという姿はなかなか想像できません。契約が統合されても、日本ではあまりメリットのない状態が続くのかもしれません。