AppleはiPad Proが曲がって出荷されているケースが散見される問題について「iPad Pro のユニボディ筐体のデザイン」と題して見解を表明しています。この見解によれば、製造工程の関係で1辺が最大0.4mmほど歪んでいる可能性があるものの、この曲がりは実際の使用で検知できるものではなく、またこれ以上曲がることもないとしています。
iPad Proのデザインが影響
昨年発表されたiPad Proはベゼルが平面に切り取られており、ホームボタンの廃止で一枚の板のようになったiPadのフラットさがデザイン面でも強調されています。しかしこのデザインがiPadのほんの少しの曲がりを可視化してしまったようです。Appleは「角度によっては平面度におけるわずかな差が目に見えることもあります」としており、フラットなデザインが許容範囲内の曲がりを認識できるようにしてしまったとしています。
ただ一度曲がっていると認識してしまうと、その曲がり気になるのは人の常というものです。Appleの見解について納得できる部分もあるのですが、せめてもう少し許容範囲を下げる(曲がりに厳しく検品する)方が良かった気がします。
原因はアルミとプラスチックの接合
AppleはこのiPad Proの曲がる原因は製造過程にあると説明しています。iPad Proはアルミ筐体の溝にデータ通信のアンテナに必要なプラスチックを高温下で射出する工程があり、この工程が終わったのち筐体が常温まで冷えることで本体が曲がってしまう場合があるようです。この製造方法はアルミとプラスチックのシームレスな外観を維持するために必要と説明されています。
デザインにこだわった結果、ほんの僅かですが曲がってしまい、またその曲がりを認識しやすくなった。文章にすれば簡単なのですが、曲がったiPad Proの問題はAppleの製造理念やデザインに対するこだわりにまで影響する大きな問題だと考えます。