Appleは月額定額制の音楽配信サービス「Apple Music」で1回音楽が再生された時にレーベル側に支払われる料金が約1円であることを公表しました。これは他社の類似サービスの約2倍とされ、Apple Musicがアーティストへの分配を重視していることを反映しているとも言われています。ただこの報酬は少し心配な点もあります。
月額980円なら
Apple Musicで音楽を1曲再生するごとに1円がアーティスト側(レコード会社など)に支払われるとすれば、単純に計算すると日本では1カ月に980曲聴くユーザーはAppleにとって赤字を生み出すユーザーになります。毎日Apple Musicを利用するとすれば1日33曲、平日だけなら1日50曲くらい聞けば1カ月に980曲になります。ジョギングやウォーキング中や通勤、通学の自家用車、交通機関などで毎日Apple Musicを聴く習慣があるなら、このくらいすぐに聴いてしまいそうです。
最近はテレワークが定着しつつあり、自宅で仕事する場合は音楽を聴きながらということも多くあります。私も屋内、屋外を問わず仕事中はApple Musicを再生していることが多いのですが、平均すれば1日にのべ100曲以上は聴いていることになります。1日に100曲、200曲と聴くような利用者が増えればApple Musicの収益性は低下しそうで、将来的に値上げとなる可能性はあるでしょう。
ただApple MusicとSpotifyは激しく競争しており、Apple Musicだけが簡単に値上げを実行できる環境ではありません。そう考えるとAppleとSpotifyの競争状態はユーザーにとって、またアーティストやレコード会社にとってもプラスに働いているのかもしれません。