Appleの株価は昨年一時120ドルを超え、時価総額でも世界一となっていました。しかし先日の2016年度第2四半期の決算発表以降、株価は下落を続けています。
時価総額でGoogleに再び抜かれる
12日時点でAppleの株価は90.32ドルとなっており、取引時間中には一時89ドル台に突入する場面もありました。株価が90ドルの水準まで下落したのは2012年10月以来のことです。直近の株価下落に伴い、再びGoogle(Alphabet Inc.)に時価総額でトップの座を譲っています。
前回株価が90ドルを下回った時、Appleは偉大な創業者スティーブ・ジョブズ氏を失い、現在のクックCEOがどのようにアップルを成長させていくか懐疑的に見られている時期でもありました。その後、iPhone 5、iPhone 6でiPhoneを大型化し、iPad miniやiPad ProでiPadの用途を拡大し、Apple Watchを発売して新しいディバイスにも挑戦しています。Apple Musicも始めました。
これらを通してクック氏は新しいAppleを確立に成功したと言えます。現にクック体制下でAppleの株価は一時120ドルを超え、多くの人がその経営手腕を評価していました。
Apple WatchやiPadがAppleを救うはず
しかしそのAppleが再び業績を不安視されています。iPhoneの販売台数が前年同期比でマイナスになったことがその原因ですが、おそらくAppleもスマートフォンの需要が一巡すればiPhoneの売上が落ちることは予測していたでしょう。その時のためのApple Watchであり、iPadの多サイズ展開だったと思われます。
iPhoneが不振でも他の製品がそれを補う、そんな事業構成を目指していたのでしょう。現時点でこれは成功していませんが、Apple WatchやiPadにはまだまだ発展の可能性が残っており、クック氏の戦略は間違ってはいないと考えます。
iPadやApple WatchはiPhoneと同様に多くの人に愛用されるディバイスになれる製品です。中期的な観点でAppleの成長を支える商品になっていくと思います。Appleがどのようにこれらディバイスの普及を図っていくか、そういう観点からも6月のWWDCでのiOS 10やwatchOS3の発表は注目です。