夜のNHKニュースが買収検討の第一報を伝え、日経やWSJも相次いで買収検討を報道しています。ここでもiPhoneやLTEがキーワードになっているようですが、さすがにこの規模の企業買収では一つの要素(iPhoneの調達コスト低下とか、LTEの標準かとか)のため、という説明はできないでしょう。
Sprint Nextelの株価推移(対数) 時間外取引で18%以上の値上がりを見せています |
この買収はソフトバンクの「第二の賭け」だと思います。Vodafonの買収は「第一の賭け」でしたが、これには「勝った」といってもいいでしょう。この成功をSprintでも、との思惑があると推測します。Sprint Nextelは毎年赤字を計上する企業ですが、加入者6,000万人という規模の企業でもあります。この企業を黒字化してAT&Tやベライゾンに肩を並べるような企業に成長させることに成功すれば孫正義氏は歴史に名を残す経営者になるでしょう。
難しいことに挑戦する姿勢はNTTドコモやKDDIには見られない企業姿勢だと思います。ただこの買収で多額の資金調達が必要になることも確かで、その結果として国内のインフラ整備に遅れが生じる、なんてことにならないことを願います。私の感覚ではこの賭けはかなり際どいものだと感じます。どうなるでしょうか。
ソフトバンクの公式コメントは「一部で、弊社とスプリント・ネクステルについての報道がなされましたが、憶測に基づいたものです。当社から発表したものではなくコメントはありません」です。